出版社内容情報
足し算から始まり,フェルマーの最終定理の証明に利用された現代数論までをカバーした解説書。モジュラー形式の概念も説明する。
目次
序論 この本はどんな本か
第1部 有限和(導入;二つの平方数の和;3個と4個の平方数の和;高次のベキの和:ウェアリングの問題;単純な和;ベキ乗の和、代数を用いて)
第2部 無限和(無限級数;記号の特色;ゼータ関数とベルヌーイ数;方法を数える)
第3部 モジュラー形式とその応用(上半平面;モジュラー形式;モジュラー形式はどのぐらいたくさんあるのか?;合同群;分割と平方数の和、再訪;続・モジュラー形式;まだほかにあるモジュラー形式の応用)
著者等紹介
新妻弘[ニイツマヒロシ]
1946年茨城県に生まれる。1970年東京理科大学大学院理学研究科修士課程修了。現在、東京理科大学理学部数学科教授を経て、東京理科大学名誉教授・理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やす
9
フェルマーの最終定理の証明の概略ストーリーは死ぬまでに見えるようになりたいと誇大妄想をしている身にとってはモジュラー形式は一里塚なので借りてきた。最初は高校一年の数に関する話題。苦手だったやつ。ユーグリッドの互除法とか(a, b)=dならばある整数m, nがあってam+bn=dとなるとかの謎定理の話。証明自体は追えるけど後から思い出せないやつ。関連で(p-1)!=-1(mod p)。これって意外で面白い。たわいもないような証明の数々から自然に数をn個の平方数の和で表すやり方の総数は?という問題に誘導する2024/12/16
mft
5
一般向けのモジュラー形式の本というのが珍しい。教科書ではないので、詳細は省かれていて、あくまで概観のための本だが、内容的には楽しく読めた。おそらく原書はわりとフレンドリーな文体なのだと思うが、日本語が直訳調の硬い文体なのが引っかかってしまって、そこだけが惜しい2019/08/09