出版社内容情報
本書は,Judea Pearlによって提案された構造的因果モデルの解説書であり,データ生成過程を出発点として,因果ダイアグラムの理論から潜在反応モデルへの橋渡しを行うことを主な目的の一つとしている。また,有向グラフを用いて因果関係を記述することの利点と欠点を示すだけでなく,因果ダイアグラムでは扱うことの難しいテーマとして,原因の確率や媒介分析といった新しい話題にも触れている。
目次
第1章 はじめに
第2章 準備
第3章 因果ダイアグラムの基礎
第4章 有向グラフに基づく因果効果の識別可能条件
第5章 線形構造方程式モデルに基づく因果効果の識別可能条件
第6章 潜在反応モデル
第7章 原因の確率とその周辺
第8章 効果の分解問題とその周辺
著者等紹介
黒木学[クロキマナブ]
2001年東京工業大学大学院社会理工学研究科経営工学専攻博士後期課程修了。同年東京工業大学大学院社会理工学研究科経営工学専攻助手。2003年大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻助教授。2011年統計数理研究所データ科学研究系准教授。2016年統計数理研究所データ科学研究系教授。2017年より現職。この間、UCLAコンピュータサイエンス学科および北京大学数学科学学院において在外研究。現在、横浜国立大学大学院工学研究院知的構造の創生部門教授、博士(工学)。専攻、統計科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shin_ash
7
わかりやすい部分もあるが難しかった。パールを先に読んで良かった気がする。パールよりは哲学的なところには触れず数学的特徴を端的に述べている様に思える。グラフを読むことである程度因果を整理できるのは一般因果まで。文脈的は逆だが介入はある意味で実験計画(RCT)の拡張と理解すればイメージはしやすい。難しいのは単称因果を反事実で評価するところで原因の確率が出てくるあたり。PN,PS,PNSとこれらの定義もさることながら実務でのイメージが掴みにくい。使えると感じる一方で、実務でここまでやる合意形成が難しそうと思う。2020/05/06
鴨川
0
僕がグラフ周りの勉強をしたことがないせいもあってかそこそこ難解に感じた。出直したいという気持ち。2018/01/20