出版社内容情報
ファジィ理論と統計とのかかわりについて説明した,ファジィ理論が有用なツールになることを理解できる一冊。本書を通してファジィ理論を統計へ応用する際の足掛かりが得られるだろう。本書は,初等的な集合論,確率・統計に関する基本的知識があれば十分で,時系列解析およびファジィ理論を知るために最適な入門書となっている。
時系列解析については,基本的な内容から専門的な内容までを扱い,ファジィシステムを応用した非線形モデルについて紹介している点も本書の特徴と言えよう。このモデルはシンプルで取り扱いやすく,有用であるが,紹介している書籍はほとんどない。さらに,非定常過程への応用として,トレンドを推定するための移動平均法と曲線のあてはめを行う多項式回帰の中間に位置づけられるファジィトレンドモデルも紹介している。
本書を通して,ファジィ理論における方法論や,モデルの中には簡単に統計的応用に結び付けられるものがあり,統計的方法をより豊かにしうることを理解できるだろう。さらには,本書で提供している材料を足がかりとして,ファジィ理論本来の対象である主観的あいまいさを統計的に解析するための議論へつながっていくことも期待している。
第1章 ファジィ理論と統計
第2章 ファジィ集合
2.1 クリスプ集合とファジィ集合
2.2 基本的な演算
2.3 分解原理と拡張原理
2.4 直積
第3章 ファジィシステム
3.1 ファジィ関係
3.2 ファジィシステム
3.3 ファジィ推論
3.4 ファジィ制御
3.5 高木-菅野のファジィシステム
第4章 時系列モデル
4.1 時系列解析の基本
4.2 確率過程
4.3 時系列モデル
4.4 推定
4.4.1 概観
4.4.2 自己回帰モデルの推定
4.5 予測
4.6 時系列の分解と自己回帰モデルの推定の例
4.6.1 時系列データ
4.6.2 時系列の分解
4.6.3 自己回帰モデルの推定
第5章 非線形時系列モデル
5.1 線形と非線形
5.2 決定論的システムと確率的システム
5.2.1 カオス
5.2.2 ロジスティック写像
5.3 非線形自己回帰モデル
5.4 閾値モデル
第6章 ファジィ時系列モデル
6.1 ファジィ自己回帰モデル
6.1.1 高木-菅野のファジィシステムによるモデル
6.1.2 モデルの例
6.1.3 同定
6.1.4 推定
6.1.5 適用例
6.2 ファジィTARモデル
6.2.1 TARモデルのファジィ化
6.2.2 同定と推定
6.2.3 適用例
第7章 ファジィトレンドモデル
7.1 トレンドの推定法
7.2 ファジィトレンドモデル
7.2.1 同定と推定
7.2.2 適用例
7.2.3 季節成分を持つファジィトレンドモデル
7.2.4 季節成分のあるモデルの適用例
7.2.5 多変量ファジィトレンドモデル
参考文献
索 引
渡辺 則生[ワタナベ ノリオ]
著・文・その他
目次
第1章 ファジィ理論と統計
第2章 ファジィ集合
第3章 ファジィシステム
第4章 時系列モデル
第5章 非線形時系列モデル
第6章 ファジィ時系列モデル
第7章 ファジィトレンドモデル
著者等紹介
渡辺則生[ワタナベノリオ]
1985年東京工業大学大学院総合理工学研究科システム科学専攻博士後期課程単位取得後退学。現在、中央大学理工学部教授。理学博士。専門、統計科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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