出版社内容情報
一般的に調査・観測データには欠測が生じることが多く,適切な欠測データの処理をしなければ,解析結果に偏りが生じることがある。多重代入法は,尤度解析法と並んで最も汎用的な欠測データ解析法であるが,これまでの書籍では理論的な解説が主で,実際の応用事例や具体的な手順の記述が少なかった。そのため,実証分析を行う社会科学者や実務者が多重代入法を実際に活用することにはハードルがあった。
本書は,ワンポイントとして代入法を中心に解説している。平均値のt検定,重回帰分析,ロジスティック回帰分析,時系列分析,パネルデータ分析といった社会科学において頻繁に使用される分析手法に関して,データに欠測が生じている場合に,多重代入法を用いてどのように欠測データを処理していけばよいかを具体的に示している。
事例で扱ったデータとRコードが掲載されているので,読者は本書に示された手順を再現しながら,欠測データの解析法を学んでいくことができる。主に,ウェブ上で入手可能な実データで解説しているので,実践的な技能が身につく。本書は,座学として単に読むだけでなく,ぜひコンピュータ上で実際に処理を体験して欲しい。それが,欠測データの解析法を理解し,修得する近道である。
目次
Rによるデータ解析
不完全データの統計解析
単一代入法
多重代入法の概要
多重代入法のアルゴリズム
多重代入モデルの診断
量的データの多重代入法1:平均値のt検定
量的データの多重代入法2:重回帰分析
質的データの多重代入法1:ダミー変数のある重回帰分析
質的データの多重代入法2:ロジスティック回帰分析
時系列データの多重代入法:ARIMAモデル
パネルデータの多重代入法:固定効果と変量効果
感度分析:NMARの統計解析
事前分布の導入
著者等紹介
高橋将宜[タカハシマサヨシ]
2009年ミシガン州立大学政治学科博士課程単位取得。2017年成蹊大学大学院理工学研究科理工学専攻情報科学コース博士号取得。東京外国語大学経営戦略情報本部特任助教。博士(理工学)。専門、統計科学、情報科学、計量政治学、不完全データ処理法
渡辺美智子[ワタナベミチコ]
1981年九州大学大学院総合理工学研究科情報システム学専攻修士課程修了。1986年九州大学博士号取得。慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授。理学博士。専門、統計科学、多変量解析、潜在変数モデル、不完全データ処理法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shin_ash
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