出版社内容情報
本書では,現象を「伝播」の数理的取り扱いという切り口から考察する。特に拡散・伝播現象を取り上げ,拡散と非線形性という局所的・自律的な現象から作り出される伝播現象に見られる大域的なメカニズムを説明する。本書で紹介した手法は新しい伝播現象の数理解析にも十分に役立つであろう。
第1章 自然界の伝播現象
1.1 ドミノ倒し
1.2 ウェーブ
1.3 マスクラットの侵入
1.4 ランダムウォーク
1.5 増殖
第2章 反応拡散系に見られる伝播現象
2.1 ロジスティック方程式
2.2 捕食者と被食者
2.3 競争系
2.4 伝染病のモデル
2.5 BZ反応
2.6 神経伝播モデル
2.7 アレン・カーン・南雲方程式
第3章 拡散
3.1 遷移確率
3.2 走性と拡散
3.3 拡散方程式の進行波解
3.4 基本解
3.5 補筆:(3.5)の導出
第4章 1次元進行波解
4.1 厳密解
4.1.1 ハクスリー解
4.1.2 パンルヴェの方法
4.2 進行波解の存在
第5章 最大値の原理
5.1 楕円型方程式の最大値の原理
5.2 楕円型方程式の強最大値の原理とホップの補題
5.3 放物型方程式の最大値の原理
5.4 反応拡散系の比較原理と不変領域
5.5 優解・劣解
5.6 進行波解の優解・劣解
5.7 最大値の原理の応用
第6章 進行波解の性質
6.1 単安定系の進行波解
6.1.1 伝播速度
6.1.2 多次元の場合
6.2 双安定系の進行波解
6.2.1 漸近安定性
6.2.2 多次元進行波解
6.2.3 補筆:進行波解のまわりの線形化作用素のスペクトル
第7章 界面方程式
7.1 動曲線
7.2 界面方程式の導出
7.3 フィッツフュー・南雲型方程式の極限方程式
7.4 キネマティック方程式の導出
第8章 反応拡散系の進行波解
8.1 拡散競争系
8.2 伝染病モデル
8.3 フィッツフュー・南雲方程式
第A章 力学系からの準備
第B章 関数解析学からの準備
第C章 数値計算法
C.1 陽解法
C.2 陰解法
C.3 ADI法
参考文献
目次
第1章 自然界の伝播現象
第2章 反応拡散系に見られる伝播現象
第3章 拡散
第4章 1次元進行波解
第5章 最大値の原理
第6章 進行波解の性質
第7章 界面方程式
第8章 反応拡散系の進行波解
著者等紹介
二宮広和[ニノミヤヒロカズ]
1993年京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学総合数理学部教授。博士(理学)。専門は非線形偏微分方程式論(数学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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