出版社内容情報
本書は、著者らが生態学を学んでいた学生時代に求めた理想的な生態学の教科書のイメージに加え、時代のニーズにあった要素を盛り込んで執筆されたものである。具体的には、理論・統計・プログラミングの3要素をうまくブレンドさせ、統計ソフトRを用いて独学可能な教科書として執筆されており、生態学の基本となる知識と技能を取得できる。統計ソフトRを用いたこれら3つの要素についてのトレーニングを通じて、生物多様性や環境問題に対する直感的理解を目指し、専門書への橋渡しをおこなう。
理論や統計を扱う際に必要となる数学の基本的な知識については、付録A, Bにまとめてあり、本文中のワンポイント数学講座にも適宜まとめられている。章末に設けられた挑戦問題では、本文での解説を踏まえて、さらに踏み込んだ内容が扱われる。これらの解答はウェブサイトで公開されているため、理解度を確かめながら、各自のペースで取り組むことができる。
【目次】
はじめに
第1章 生態学をはじめよう
1.1 生態学とは
1.2 身近な疑問から生態学へ
1.3 3種類のモデル
1.4 理論モデル
1.5 統計モデル
1.6 シミュレーションモデル
1.7 三位一体のアプローチを支えるプログラミング
1.8 本書を読むにあたって
第2章 生物の個体数はどのように決まっているのか
2.1 生物の数をめぐる問題
2.2 共有地の悲劇
2.3 魚取りゲームのルール
2.4 魚取りゲームの数値シミュレーション
2.5 個体群動態の定式化
2.6 密度依存的な漁業管理
第3章 生物種の分布はどのように決まっているのか
3.1 島の生物多様性と移入・絶滅のダイナミクス
3.2 島嶼生物地理学理論の導出
3.3 移入率・絶滅率と占有確率の関係性
3.4 確率計算とパラメータ推定
3.5 最尤推定
3.6 一般化線形モデル
3.7 種の形質と島嶼生物地理学理論
3.8 移入と絶滅のダイナミクス
第4章 生物群集のバランスはどのように保たれているのか
4.1 生物多様性と種間相互作用
4.2 競争排除則と多種共存の謎
4.3 植物群集における競争とその結末
4.4 中立理論
4.5 群集サイズと浮動の効果
4.6 植物土壌フィードバックと負の頻度依存性
4.7 分散制限と多種共存の促進
第5章 生物の空間分布の成り立ちを探る
5.1 樹木の空間分布
5.2 空間分布の可視化
5.3 樹木の空間分布のシミュレーション
5.4 二項分布とポアソン分布の関係
5.5 個体密度と個体間距離の関係
5.6 樹木の最近接個体間距離の解析
5.7 樹木の空間分布と生息地条件の関連性
5.8 種数面積関係と絶滅率
第6章 時間的変動と同調のダイナミクスを探る
6.1 時間的に変動する環境と生物
6.2 樹木の豊凶現象と資源収支モデル
6.3 花粉交換と結合振動子
6.4 種子食昆虫の個体群動態
第7章 動物の意思決定を探る
7.1 意志決定をする動物
7.2 信号検出理論によるベイツ型擬態とモデル種の判別
7.3 ベイズ更新による自己サイズ推定と代替生活史戦術
7.4 ベイズ推定のもとでの条件依存戦術の選択
7.5 確率的な意思決定
付録A 生態学を学ぶ人のための確率・統計の基礎
A.1 標本空間,事象,確率
A.2 仮説検定,p値,パラメータ推定
A.3 確率変数,期待値,分散
付録B 生態学を学ぶ人のためのベクトル・行列の基礎
B.1 ベクトル・行列の基本演算
B.2 データ解析の基本としての線形代数
B.3 生態学
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