高山植物学―高山環境と植物の総合科学

個数:
  • ポイントキャンペーン

高山植物学―高山環境と植物の総合科学

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2016年12月10日 04時59分現在)

    【出荷予定日】(お取り寄せを除く)
    ■午前0時~午前10時30分までのご注文は「当日出荷」
    ■午前10時31分~午後(夜)11時59分までのご注文は「翌日出荷」
    ■医学系書籍のご注文は「翌日~3日後に出荷」

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。

    ●店舗受取サービス(送料無料)をご利用いただけます。
    【カートに入れる】を選択後に全国店舗の中からお受け取り店をご指定下さい。詳細はこちら
  • ●この商品は国内送料無料です。
  • サイズ A5判/ページ数 445p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784320056930
  • NDC分類 471.72

目次

高山の環境
地形
高山の植生
高山植生の起源
高山植物の形態
生理
生態
周北極要素の植物
寒地(日本の高山域)におけるシダ植物の生育特性―種組成と形態収斂パターン
高山のコケ植物
高山の地衣類
高山の菌根菌
ハイマツ群落
山岳地域の湿原
高山植物と動物
地球温暖化と高山植物

著者紹介

増沢武弘[マスザワタケヒロ]
昭和20年(1945)生まれ。東京都立大学大学院理学研究科博士課程単位取得・理学博士。現在、静岡大学理学部生物科学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

出版社内容情報

●内容
 日本列島に分布する高山植物の多くは氷期以後,高山帯に残存したものといわれている。これらは氷期の寒冷な環境条件のもとに分布を拡大し,現在は日本の高山の環境に適応して生存している。この植物群と高山環境との関係を教科書として総合的にまとめることは,「極限環境」ともいえる高山の環境に生育し続けた植物の適応条件を理解し考察するうえで意義あるものと思われる。
 また,近年地球規模での環境変動が見られる中で,この変動に最も敏感に反応する生物が脆弱性をもつ高山植物といわれている。今後,地球温暖化との関係で注目される高山植物について,基礎的な事項および資料を「植物学」として総合的にまとめた。

●目次
はじめに
第1章 高山の環境
1.1 温度・水分条件
  1.1.1 気温
  1.1.2 地温
  1.1.3 積雪からの融雪水
1.2 温度条件と地球温暖化
  1.2.1 日本の高山帯の環境
  1.2.2 高山環境と地球温暖化
1.3 最終氷期以降の高山・亜高山植生の分布の変遷と現在の高山環境
  1.3.1 最終氷期・極相期の日本列島と日本アルプスの植生
  1.3.2 9000 年前の革命
  1.3.3 亜高山針葉樹林の復活
  1.3.4 現在の高山環境
第2章 地形
2.1 高山地形の一般的な特徴
  2.1.1 山地・山脈の形成と地形
  2.1.2 気候地形帯と第四紀環境変動
  2.1.3 高山で生じる地形形成作用と高山の地形
  2.1.4 日本の高山地形の特徴
2.2 高山の地形・地質の成り立ちと高山植物群落
  2.2.1 山脈の配置と隆起
  2.2.2 非対称山稜の形成
  2.2.3 稜線上の起伏の形成
  2.2.4 地質・地形と植生分布
  2.2.5 山地の地質の成り立ち
  2.2.6 火山の成り立ちと火山植生
第3章 高山の植生
3.1 日本列島の高山植生(大陸の植生)
  3.1.1 北東アジアの植物地理と生物気候
  3.1.2 高山植生と植物社会学
  3.1.3 日本列島およびその周辺の高山植生
3.2 北海道の高山植生
  3.2.1 垂直分布帯と高山植生
  3.2.2 高山植生の立地
  3.2.3 研究小史
  3.2.4 北海道の高山植生
3.3 カール地形と植生複合
  3.3.1 高山帯の植生景観
  3.3.2 境界域の環境傾度と植生タイプ
  3.3.3 植生複合の形態
  3.3.4 高山帯の植生複合
  3.3.5 立地の空間構造と植生複合
  3.3.6 群植物社会学とは
3.4 特殊岩石地の植生
  3.4.1 特殊岩石地の固有種と地域固有種
  3.4.2 石灰岩植生(岩隙と岩棚植生,風衝草原)
  3.4.3 蛇紋岩・カンラン岩植生(崩壊地植生,風衝草原,雪田草原)
第4章 高山植生の起源
4.1 高山植物相・高山植生誌
  4.1.1 植物相と植生
  4.1.2 高山植物相の地域間比較を行った研究例
  4.1.3 日本の高山植物相に関する植物地理学的研究
  4.1.4 高山植生の分布型組成分析による植物地理学的研究
  4.1.5 植物相と植生の両者を合わせた試行的研究
  4.1.6 今後の課題
4.2 遺伝子解析からみた高山植物の起源
  4.2.1 分子系統地理学による高山植物の分布変遷
  4.2.2 分子データからみた高山植物の種分類
  4.2.3 高山植物の機能遺伝子解析
第5章 高山植物の形態
5.1 高山帯景観をつくる植物
5.2 地上茎の形態
5.3 地下茎の形態
5.4 矮性・匍匐化を促進する高山環境
5.5 地下部の大型化
5.6 越冬芽に関する形態
5.7 高山植物に固有の形態とは?
第6章 生理
6.1 光合成
  6.1.1 高山の光合成環境
  6.1.2 高山植物光合成
第7章 生態
7.1 高山草原・荒原の植物(富士山の高山草本)
  7.1.1 富士山におけるイタドリとオンタデの高度分布
  7.1.2 フェノロジー
  7.1.3 種子と発芽
  7.1.4 芽生えの生存と定着
  7.1.5 イタドリの繁殖様式
  7.1.6 ドーナツ化現象   7.1.7 高山植物と土壌の富栄養化
7.2 雪田植物:雪融け傾度が作り出す環境変化と生物現象
  7.2.1 高山帯における雪田環境
  7.2.2 雪田植物の群落組成
  7.2.3 開花特性とフェノロジー構造
  7.2.4 個葉特性変異
  7.2.5 成長活性と繁殖特性
7.3 風衝地と雪田に生育する矮性低木の生活と繁殖
  7.3.1 分布
  7.3.2 冬季の温度環境
  7.3.3 チョウノスケソウの外菌根
  7.3.4 匍匐型の生育形
  7.3.5 花の向日性
  7.3.6 花粉発芽の温度依存性
  7.3.7 種子の発芽特性
7.4 種子繁殖と栄養繁殖を同時に行う植物:クロユリ
  7.4.1 クロユリについて
  7.4.2 クロユリの繁殖
  7.4.3 白山のクロユリ集団の動態
  7.4.4 クロユリの開花,結実と気象との関係
7.5 森林限界の群落構造と植物
  7.5.1 矮性低木限界,高木限界と森林限界
  7.5.2 森林限界の形成される原因
  7.5.3 森林限界付近に分布する樹木
  7.5.4 日本の森林限界の群落構造
  7.5.5 森林限界移行帯の動態
7.6 南アルプスの高山植物の特性(キタダケソウ)
  7.6.1 北岳周辺の植物と温度環境
  7.6.2 キタダケソウ
7.7 高山植物と氷河地形
  7.7.1 南アルプスの南限の氷河地形
  7.7.2 立地としてのカール地形
  7.7.3 カール地形と植物群落
  7.7.4 カール内の立地と植物群落
第8章 周北極要素の植物
8.1 周北極要素の植物群
8.2 ムカゴトラノオ・ムカゴユキノシタ
  8.2.1 倍数性と分布
  8.2.2 繁殖様式と遺伝的多様性
8.3 ムカゴトラノオの生育特性
  8.3.1 ムカゴトラノオとは
  8.3.2 生育環境の違いに伴うムカゴトラノオの生活史の変化
  8.3.3 北極域における繁殖様式
  8.3.4 ムカゴという繁殖子のメリット
第9章 寒地(日本の高山域)におけるシダ植物の生育特性-種組成と形態収斂パターン-
9.1 シダ植物にとって高山とは
9.2 空間的なシダ分布の情報収集と形状解析の試み
  9.2.1 気候帯に応じた高山
9.3 シダ植物からみた場(フィールド)の科学
  9.3.1 場に応じた事例
9.4 標高分布に応じたシダ植物の形態のクライン
  9.4.1 形態とは
  9.4.2 小型化し矮性成熟する
  9.4.3 葉が細くなる
  9.4.4 葉脈密度が低下し細胞が大きい
9.5 高山植物群を包含する寒地植物群の提言
第10章 高山のコケ植物
10.1 高山帯の植生
10.2 世界の高山帯と雪線,森林限界線
10.3 高山と極地の類似性
10.4 高山帯の植生とコケ植物
  10.4.1 ハイマツ群落
  10.4.2 風衝低木群落や風衝草原
  10.4.3 崩壊地(荒廃地)の群落
  10.4.4 雪田の礫地群落
  10.4.5 湧水地・流水縁の群落
  10.4.6 湿原・湖沼の群落
  10.4.7 岩場の群落
  10.4.8 高山帯に分布する主なコケ植物の生態
10.5 富士山のコケ植物
10.6 コケ植物の生育形
10.7 動物との関連
第11章 高山の地衣類
11.1 地衣類の概要
  11.1.1 高山性地衣類の同定
11.2 日本の高山の代表的な地衣類
  11.2.1 岩石上
  11.2.2 地表面
  11.2.3 ハイマツなどの樹幹および樹枝上
11.3 高山特有の環境および特異的な環境に生育する地衣類
  11.3.1 風衝地(砂礫地)
  11.3.2 風衝地(草付き)
  11.3.3 ハイマツ群落周辺の地上性地衣類群落
  11.3.4 雪田周辺
  11.3.5 硫気孔周辺
  11.3.6 蛇紋岩山地
  11.3.7 石灰岩山地
11.4 極域と日本の高山に共通して分布する地衣類
  11.4.1 北極圏の地衣類との共通種
  11.4.2 南極・北極圏との共通種
11.5 日本の高山性稀産地衣類
  11.5.1 キイロスミイボゴケCatolechia wahlenbergii
  11.5.2 ツンドラサンゴゴケSphaerophorus globosus
  11.5.3 カニメゴケAcroscyphus sphaerophoroides
  11.5.4 アオウロコゴケLichenomphalia hudsoniana
  11.5.5 トゲエイランタイCetrariella delisei
11.6 植物社会学的研究に登場する高山性地衣類
  11.6.1 ハイマツ-イソツツジ群集
  11.6.2 ハイマツ-マキバエイランタイ群集
  11.6.3 ハイマツ-ハクサンシャクナゲ群集
  11.6.4 ハイマツ-コガネイチゴ群集
  11.6.5 コメバツガザクラ?ミネズオウ群集
第12章 高山の菌根菌
12.1 菌根のいろいろ
12.2 高山植物に形成された菌根タイプ
12.3 高山植物に形成されたAM の形成率と胞子数
12.4 高山植物に対する菌根の効果
第13章 ハイマツ群落
13.1 分布
  13.1.1 日本におけるハイマツの分布,生長と気候環境
  13.1.2 ハイマツ群落の生態地理
13.2 ハイマツ群落
  13.2.1 ハイマツの現存量と樹冠の特徴
  13.2.2 ハイマツの更新
  13.2.3 ハイマツの物質生産と植食者,分解者との関係
  13.2.4 気候変化に対するハイマツの反応
13.3 高山の環境とハイマツ群落
  13.3.1 高山帯ではなぜ高木が生育できないのか
  13.3.2 ハイマツ群落の成立
  13.3.3 環境変化とハイマツ群落
第14章 山岳地域の湿原
14.1 山岳地域の湿原の分布
  14.1.1 湿原の定義
  14.1.2 我が国の山岳地域の湿原分布
14.2 山岳地域の湿原の形成要因と形成開始年代の特徴
14.3 山岳地域の湿原のフローラ・植生の特徴
  14.3.1 フローラの特徴
  14.3.2 植生の特徴
第15章 高山植物と動物
15.1 訪花昆虫と高山植物
  15.1.1 高山帯の訪花昆虫相
  15.1.2 訪花昆虫の季節性と送粉成功
  15.1.3 高山植物の繁殖戦略と訪花昆虫を巡る相互作用
15.2 ライチョウ
  15.2.1 生息山岳
  15.2.2 絶滅した山岳
  15.2.3 移植の試み
  15.2.4 生息環境
  15.2.5 食性
  15.2.6 生息個体数
  15.2.7 山岳による隔離と遺伝的多様性
  15.2.8 最近の個体数の減少
  15.2.9 温暖化の影響予測
  15.2.10 高山帯に侵入した野性動物による影響
  15.2.11 今後の課題
15.3 ニホンジカ
  15.3.1 高山帯におけるシカ被害
  15.3.2 南アルプスにおけるシカ食害
  15.3.3 八ヶ岳におけるシカ食害
  15.3.4 シカの高山帯への進出
  15.3.5 シカ被害対策
第16章 地球温暖化と高山植物
16.1 北海道アポイ岳における環境変動
  16.1.1 北海道アポイ岳の高山植物群落の減少
  16.1.2 アポイ岳の高山植物の減少はいつ始まったか
  16.1.3 温暖化と高山草原の減少
16.2 富士山における温暖化の影響
  16.2.1 富士山の永久凍土
  16.2.2 富士山頂の植物
16.3 地球温暖化と高山植物
おわりに
索引