出版社内容情報
●内容
本書は,生態学に興味があるが,本格的に学んだことのない読者を想定し,私なりに理解した生態学を解説したものである.M. ベゴンほかの教科書に準拠し,その中で基本的なこと,最低限知っておいてほしいことに絞って説明した.本書には,数学,化学式,生物名などがいくつか出てくる.高校生に理解できるように工夫した.高校で学ぶ範囲を超える内容については,欄を別に設けて本書を読めば理解できるように説明し,その部分を飛ばして読んでも読み進められるように配慮した.また,インターネットを使う読者に便利なように,多彩な関連資料をそろえたサイトを用意した.
本書で学ぶ生態学とは,以下の3つの問いから始まる.また,本書の随所に問を設けている.これらの問いに正確に答えることができれば,生態学の本質を理解し,生態学の考え方を学ぶという,所期の目的を読者が果たしたと言えるだろう.生態学で学ぶべき知識は多いが,そのすべてを記憶し続ける必要はない.たいせつなのは考え方である.本書を読み進めるにあたり,常に,これらの問いに立ち返り,自ら考えていただきたい.
問0.1 なぜ,高山から深海まで,地球上いたるところに生物がいるのか?
問0.2 自然淘汰によって進化したはずの生物が,なぜ個性豊かなのか?
問0.3 人類は自然と「共生」しているのか?
目次
第0章 本書の狙いと問題提起
第1章 生物が生きるための環境
第2章 成長の限界と個体群変動(個体群生態学)
第3章 種間相互作用と群集
第4章 群集
第5章 適応進化
第6章 人間と生態系
第7章 問題解答例
著者等紹介
松田裕之[マツダヒロユキ]
1985年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。日本医科大学助手、中央水産研究所主任研究官、九州大学助教授、東京大学助教授などを経て2003年より現職。現在、横浜国立大学環境情報研究院・教授・理学博士(環境生態学専攻)。近況、生態学会や水産学会などの委員、北海道(エゾシカ・ヒグマ)、環境省(知床)、水産庁(資源管理など)、経済省(リスク評価)などの委員、WWFジャパン自然保護委員会委員などを拝命し、生態系の順応的管理の理論的研究と実践に努めている。研究面では文科省、環境省のプロジェクトなどを通じて進化生態学、海洋生態系、予防原則、自然再生などの多様な研究者との共同研究に参画中である
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