出版社内容情報
本書は,理系大学の学生を対象に,「火山学」をはじめて学ぶ際のテキストとして執筆されたものである。日本は火山国であるが,地質学,岩石学,地球物理学にわたる学際的な要素の多い「火山学」についての総合的なテキストは多くない。本書では,「火山学」に関連する基本的な知識を修得することを目的に,可能なかぎり平易な表現で,幅広い火山学の各分野についての基本について記述している。さらに,近年,日本において多発する未曾有の自然災害について,その防災,減災に関する理解は,火山について学ぶ際にも,不可欠なものであると考え,火山防災,火山減災についても,多くのページを割いている。火山について学びはじめた理系大学生が,火山を総合的に理解する際に,活用できる内容である。
第1章 火山学概観
1.1 はじめに
1.2 火山と地球
1.3 マグマの発生,上昇,定置
1.4 マグマ溜りと火山活動
1.5 活火山と火山の寿命
1.6 多様な火山
1.7 火山学の研究手法
第2章 火成岩と火山岩
2.1 はじめに
2.2 火成岩
2.3 火成岩の鉱物組成と化学組成
2.4 固液間での分配係数とマグマの組成変化
2.5 火山岩の分類
2.6 マグマの物性
2.7 火山岩の組織と構造
2.8 ソレアイト岩系とカルクアルカリ岩系
第3章 火山の噴火と噴出物
3.1 はじめに
3.2 火山の噴火
3.3 噴火の様式
3.4 噴火とそれに関連した現象
3.5 火山噴出物
第4章 マグマプロセスとマグマの成因
4.1 はじめに
4.2 マグマの状態とマグマプロセス
4.3 マグマの成因
4.4 地球史におけるマグマの変遷
4.5 テクトニック場と火山活動
第5章 火山の観測とモニタリング
5.1 はじめに
5.2 観測方法
5.3 地震観測
5.4 測地観測
5.5 電磁気学的観測
5.6 物質系の観測
5.7 そのほかの観測
5.8 火山活動のモニタリングと噴火予知
第6章 噴火のダイナミクス
6.1 はじめに
6.2 ミクロスケールの現象と物理過程
6.3 火山性流体の物理特性
6.4 一次元火道流
6.5 噴火に伴う諸現象
第7章 火山の恩恵と災害
7.1 はじめに
7.2 火山がもたらす恩恵と災害
7.3 火山災害の実例
7.4 火山噴火と気候
7.5 火山活動と大量絶滅
7.6 火山による恩恵
第8章 火山防災・火山減災
8.1 はじめに
8.2 火山防災・減災対策の課題
8.3 火山防災の制度と計画
8.4 噴火シナリオと火山ハザードマップ
8.5 火山情報:噴火警報と噴火警戒レベル
8.6 噴火時の避難と生活支援
8.7 火山砂防計画
8.8 火山噴火に伴う災害廃棄物の処理と管理
8.9 さいごに
文献
索引
大谷 栄治[オオタニ エイジ]
長谷川 昭[ハセガワ アキラ]
花輪 公雄[ハナワ キミオ]
吉田 武義[ヨシダ タケヨシ]
西村 太志[ニシムラ タケシ]
中村 美千彦[ナカムラ ミチヒコ]
目次
第1章 火山学概観
第2章 火成岩と火山岩
第3章 火山の噴火と噴出物
第4章 マグマプロセスとマグマの成因
第5章 火山の観測とモニタリング
第6章 噴火のダイナミクス
第7章 火山の恩恵と災害
第8章 火山防災・火山減災
著者等紹介
吉田武義[ヨシダタケヨシ]
1974年東北大学大学院理学研究科地学専攻博士課程中退。東北大学理学部助手、米国カリフォルニア大学サンタクルーツ校客員研究員、東北大学教養部助教授、同理学研究科助教授、教授などを経て、2012年に退職。現在、東北大学大学院理学研究科地学専攻・客員研究者(名誉教授)・理学博士(東北大学1983年)。専攻は岩石学・火山学
西村太志[ニシムラタケシ]
1992年東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻博士課程修了。東北大学大学院理学研究科助手、米国ロスアラモス国立研究所客員研究員、東北大学大学院理学研究科准教授などを経て、2012年より現職。現在、東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻・教授、博士(理学)(東北大学1992年)。専攻は地震学・火山物理学
中村美千彦[ナカムラミチヒコ]
1993年東京大学大学院理学系研究科地学専攻博士課程修了。東京工業大学大学院理工学研究科助手、米国レンセレア工科大学客員研究員、東北大学大学院理学研究科准教授などを経て、2012年より現職。現在、東北大学大学院理学研究科地学専攻・教授、博士(理学)(東京大学1993年)。専攻は岩石学・火山学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 和書
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