出版社内容情報
太陽電池としてトップクラスのエネルギー変換効率に進化したペロブスカイト太陽電池、その研究の背景、歴史、しくみ、応用技術を解説
ペロブスカイト太陽電池は、リチウムイオン電池や半導体レーザーなどと並び、日本で生まれた数少ない電気・電子デバイスの1 つである。この研究は、化学と物理を巻き込み、学際的な研究促進によって、太陽電池としてトップクラスのエネルギー変換効率に進化した。本書では、ペロブスカイト太陽電池のしくみを解説し、その応用技術まで紹介する。第1 章ではまず地球環境問題に触れて太陽光輻射エネルギーの特徴と太陽電池の種類を紹介する。第2章ではペロブスカイト太陽電池を発明した研究の背景、そして高効率化の研究の歴史を紹介する。第3章は、ハロゲン化ペロブスカイトの材料としての特徴(光物性、半導体の電子物性)の解説である。そして、第4章から第7章は本書の中心部であり、ペロブスカイト太陽電池の具体的な作製方法と高効率化のための最先端技術を解説する。第8章ではペロブスカイトを使う光電変換の応用が、屋内IoT から宇宙環境まで広がっている状況を述べて、社会実装へ向けた多くの可能性を紹介する。第9章ではGXへ向けて地産地消の自給自足エネルギーとして普及させる方法を紹介する。
目次
第1章 はじめに 太陽光エネルギーとサステナビリティ
第2章 ペロブスカイト太陽電池の発見と先導研究
第3章 ハロゲン化ペロブスカイト結晶の光物性
第4章 ペロブスカイトの薄膜の作製
第5章 ペロブスカイト太陽電池の性能
第6章 ペロブスカイト太陽電池の高効率化
第7章 鉛を用いないペロブスカイト太陽電池
第8章 広がる産業応用
第9章 地産地消の自給自足電力としての普及
著者等紹介
宮坂力[ミヤサカツトム]
1981年東京大学大学院工学系研究科合成化学専攻博士課程修了。現在、桐蔭横浜大学医用工学部特任教授、工学博士。専門:光電気化学、ペロブスカイト光電変換の科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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