基本法則から読み解く物理学最前線<br> 反物質

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基本法則から読み解く物理学最前線
反物質

  • 須藤彰三/岡真
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  • サイズ A5判
  • 商品コード 9784320035577
  • Cコード C3342

出版社内容情報

 反物質研究の歩みと未来――。第一線の研究者が、実験の苦闘とブレイクスルーを臨場感たっぷりに描く。

 反物質は、通常の物質と電荷の符号が逆なだけで、質量や構造は同じ粒子から成る。1930年代にその存在が予言され、陽電子と反陽子が相次いで発見されたが、実験室で反物質をつくり、自在に扱うことは長く夢物語だった。
 本書は、その夢が現実となり、「反物質のスペクトラムは厳密に物質と同じなのか」「反物質は重力で落ちるのか、それとも上に行くのか?」などといった、これまで誰も試したことのない問いに挑むまでの数十年の道のりを描く。反物質でできた原子―反水素―の生成から磁場による閉じ込め、マイクロ波やレーザー分光、レーザー冷却による低温化まで――それぞれが技術的難関であり、行き詰まりや失敗、予想外の発見が積み重なってきた。
 舞台の中心は、ジュネーブ郊外にある世界最大の原子核・素粒子研究所CERN。その一角に設けられた「反物質工場」では、反陽子や陽電子を使い、反水素を生成してその性質を精密に調べる国際共同研究が進められている。著者らが深く関わった世界初の「冷たい反水素」の生成、長時間閉じ込めの成功など、節目ごとの現場の空気が臨場感たっぷりに語られる。
 物理学の基本法則の検証という理論的意義と、精密測定を可能にする装置・技術の解説をバランスよく解説し、通常の教科書では省かれがちな試行錯誤のプロセスも惜しみなく披露される。
 予言から発見、生成、そして精密分光や重力実験へと至る長い探索の軌跡は、物理を学ぶ学生はもちろん、最先端科学の挑戦に心惹かれるすべての読者を魅了するだろう。


【目次】

第1章 陽電子の予言と発見
1.1 シュスターの夢想
1.2 ディラックの慧眼
1.3 ディラックの悩み
1.4 e+:陽電子の発見
1.5 ディラックのノーベル賞講演
1.6 陽電子を放出する放射性同位元素

第2章 p‾:反陽子の発見
2.1 反陽子はあるか,ないか.2人の物理学者の賭け
2.2 宇宙線→加速器
2.3 反陽子発見は「粒子識別」が決め手
2.4 反中性子
2.5 反重陽子
2.6 そして反アルファ粒子まで作られた

第3章 H‾:最初の反水素原子
3.1 CERNの反陽子蓄積リングAA
3.2 低エネルギー反陽子リングLEAR
3.3 初の反水素原子:CERNのPS210実験

第4章 反物質研究の意義
4.1 ファインマンの飛行機
4.2 対称性C, CP, CPT
4.3 CPT対称性の破れ
4.4 結局反水素で何がわかるか
4.5 宇宙のバリオン数生成問題と反水素
4.6 他のCPT検証実験

第5章 (反)水素原子分光のハードルの高さ
5.1 測定対象はどの遷移か
5.2 水素原子の1S-2S分光
5.3 水素原子基底状態の超微細分裂
5.4 反水素原子との比較

第6章 CERNの反物質工場
6.1 反物質工場におけるビーム冷却の重要性
6.2 LEARからADへ
6.3 反陽子減速器AD
6.4 線形減速器RFQD
6.5 ELENA

第7章 初の「冷たい」反水素原子
7.1 「冷たい」反水素原子生成の要素
7.2 ATHENA実験

第8章 反水素原子を閉じ込める
8.1 反水素閉じ込めはなぜ難しいのか
8.2 反水素閉じ込めへの道のり

第9章 反水素原子をマイクロ波でプローブする
9.1 マイクロ波による超微細遷移
9.2 ASACUSAの反水素ビーム実験

第10章 反水素原子をレーザーで制御・分光する
10.1 反水素のレーザー分光
10.2 反水素のレーザー冷却

第11章 反水素原子は重力中で落下するか?
11.1 等価原理
11.2 ALPHA-g実験

第12章 半反物質-反陽子ヘリウム原子
12.1 偶然の発見
12.2 反陽子ヘリウム原子の生成と長寿命のメカニズム
12.3 p‾4He+レーザー分光の原理
12.4 遷移周波数の理論値νth
12.5 p‾He+分光の発展
12.6 電荷に対する制限
12.7 反陽子ヘリウム原子の応用の可能性

第13章 将来展望
13.1 短期的展望:水素原子分光の精度を凌駕する
13.2 長期的展望:量子測定の時代へ

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