出版社内容情報
【解説】
日本の人工知能界の精鋭が一同に会し,コンピュータの未来像と人工知能の大いなる挑戦について議論した歴史的会議の記録。これは,日本が人工知能の今後の方向性に関してビジョンを打ち立てようとする初の試みである。
【目次】
目次
グランドチャレンジとは何か
1 ゲーム(名人に勝つ将棋システム;本因坊戦に勝つ囲碁プログラム)
2 進化システム(進化するハードウェア;計算生命体に基づく進化的ソフトウェアシステム)
3 科学(ヒトの脳の全神経回路網の解剖学的解明)
4 分身とロボット(日常作業ロボット;分身―もう一人の自分;人間と機械の協調環境学;能動的視覚)
5 コミュニケーション(実世界におけるロボットとの対話;Personified Computer―疑似人格とのコミュニケーション、そして新たなメディアへ;仮想エージェントとのコミュニケーション;コミュニケーション増幅器)
6 社会基盤(知識コミュニティ;GAIA構想;音環境理解の提案―世界認知を目指して)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
issy
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1992年に開催された人工知能ワークショップで発表された内容を集めた論文集。AI研究のチャレンジテーマとしてのロボット開発について浅田・石黒両氏の寄稿があった。能動的視覚・タスク指向型視覚、或いはセンサフュージョンといった概念は今では勿論目新しくはないが、研究段階としては今でも依然発展途上であり本書の議論は有意義。北野氏によるGAIA構想は目下Googleが進めている「全ての知を電子化して誰でも容易にアクセス可能に」と同様の挑戦。学術界の知の結集ではなくシリコンバレーの一企業が壮大な構想を具現化しようとし2011/08/23