内容説明
理工経済学部などの学生が初めて線形代数を学ぶ場合を想定した、楽しく自学自習できるテキスト。基本概念である(数学的)次元の定義の首尾一貫性に拘って、章末問題でとりあげている。
目次
第1章 関数から写像へ
第2章 複素数
第3章 平面ベクトル
第4章 空間ベクトル
第5章 ベクトルの公理的議論
第6章 行列と線形変換
第7章 固有値と固有ベクトル
著者等紹介
宮腰忠[ミヤコシタダシ]
1945年北海道に生まれる。1977年北海道大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。大学院生・研究生時代、長らく大学の非常勤講師を務める(北大工学部、旭川医科大学、室蘭工業大学、その他私大等)。1987~93年代々木ゼミナール札幌校講師(数学担当)。1993~00年新宿SEG(科学的教育グループ)講師(数学担当)。現在、フリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
4
多次元や幾何学での回転や反転等は、視覚中心の三次元的時空イメージでは把握しづらい。線形代数はこのような空間を論理的に把握する分野であり、その理解には、写像の基礎となる関数概念の一般化を高校から大学レベルに引き上げる必要がある。本書は三角関数、平面ベクトル、空間ベクトル、行列と線形変換で高校数学をおさらいし、読者にベクトルの公理的議論に入るセットアップさせる一方、線形代数を学ぶ目的を大学数学の領域から理解しやすい具体例とともに概説する。「なっとくの」なる表題にあるように感覚的把握にも訴える点が前著と異なる。2019/03/22