出版社内容情報
我々の生活はリスクに満ちあふれています。日々の暮らしは満ちあふれたリスクを比べて何が良いかを選び出す,意思決定の連続です。直感で考えてしまうことが多いリスクの大きさですが,ちょっと気をつけるだけでちゃんと比べられるようになります。本書はそんなリスク評価の考え方を書いた入門書です。リスク評価の考え方を化学物質の生態リスク評価にどうやって当てはめればいいのかを中心に書いています。現代では生態系保全に反対する人はほとんどいません。けれども,どこまで守ればいいのか,守るために現代生活の利便性をどこまで放棄すべきか,という話になると,意見が分かれます。本書にはその答えは書いていません。本書では,答えに近づくには何をすべきか,どう考えれば良いのかを書きました。考え方の考え方が記された一書です。
本書の楽しみ方は2通りあります。1つは,リスク評価の方法を知る,自分で考えることの大切さを知る,ということです。そしてもう1つは,異分野世界でのサバイバル技術です。砂の穴に放り込まれたある男が,砂の世界にとどまることになった顛末をお楽しみください。
目次
1 リスクの話をざっくりと
2 リスクを計算してみよう
3 化学物質リスク評価の決まり事
4 生態リスク評価の新たな視点
5 種のばらつきを考慮する
6 金属の評価手法
7 化学物質の複合影響
8 おわりに―こぼれ話の落ち穂拾い
著者等紹介
加茂将史[カモマサシ]
2001年九州大学大学院理学府生物科学専攻博士後期課程修了。現在、産業技術総合研究所主任研究員博士(理学)。専門は生態学、生態リスク評価(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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