内容説明
本書では、読みに含まれる複雑な認知処理を便宜的に区分して個々別々の研究対象とする研究方略ではなく、一連の認知過程として統合し読みという行為の全容を捉えるための枠組みを得ようとする試みを報告する。これまでに提案された読みの言語処理のモデルと視知覚的な文字列の読み込みの研究の成果を実証的な知見に基づいて統合するという方略によって、読み行為システムの認知モデルを構成した。
目次
第１章 目的と方法（心理学における読み研究の概観；読み研究の問題；本研究の目的と方法）
第２章 有効視野を入力の量的指標とする読みの言語処理に関する実験（日本語文章の読みの有効視野の測定；非言語処理的要因が読みの有効視野に及ぼす効果；読み手の行う言語処理の水準の違いが有効視野に及ぼす効果 ほか）
第３章 総合考察（日本語文章の読みの初期的段階における言語処理；日本語文章の読み行為のモデル；本研究で提示した読み行為のモデルの評価 ほか）
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