出版社内容情報
カマキリを水に飛び込ませるハリガネムシなど、宿主の意思を奪って行動を操る寄生生物たち。本書は、寄生虫やウイルスなどの小さな存在が、宿主の脳や神経系を操作する驚異のメカニズムを解き明かす1冊です。
昆虫から人間まで、寄生生物が行動や感情、自由意志すらも支配する巧みな生存戦略と、分子レベルの攻防を最新科学でひも解きます。さらに、寄生生物が生態系や人間社会に与える意外な影響までも解説。ミクロとマクロの両視点から、奥深い寄生生物の世界を紹介します。
【目次】
第1章 カマキリの入水自殺
1 泳げない捕食者は、なぜ自ら水に飛び込むのか?
2 視覚のハイジャック--「水平偏光」という見えない罠
3 脳内の化学兵器--いまだ厚いベールに包まれた「遺伝子」と「タンパク質」の謎
4 宿主の肉体との同期― 緻密な「時限式」成長システム
第2章 トキソプラズマによる脳内ハイジャック
1 脳を占拠する完璧な侵入システム
2 天敵を愛するネズミ-- トキソプラズマの「恐怖消去システム」
3 操られる人間たち--「見えざる同居人」が奪う自由意志
第3章 脳改造による宿主の奴隷化
1 「意思」だけをピンポイントで奪う--エメラルドゴキブリバチと従順な歩行ゾンビ
2 宿主を「不眠不休の警備員」に仕立て上げる-- テントウハラボソコマユバチと忠実なボディガード
3 プロの技術をのっとり「マイホーム」をつくらせる--クモヒメバチが仕掛ける悲しき建設奴隷
4 「性別と本能」を書き換える--フクロムシとよそ者の子を命がけで育てるカニ
5 「大人になる未来」を奪う--ニホンアソバラコマユバチが仕掛ける「時間の支配」
6 脳と身体の「化学バランス」を支配する「分子ハイジャック」
第4章 ウイルスが仕掛ける分子レベルでの宿主ハイジャック
1 「高所愛好症」にさせてドロドロに溶かす--バキュロウイルスによる自滅コマンド
2 青く輝かせ、天敵の目を引く--イリドウイルスのネオンサイン・エフェクト
3 免疫を無力化し、「生き餌」に仕立て上げる--ポリドナウイルスは宿主のシールドを無効化する
第5章 生態系を動かす「見えない主役」
1 生態系の境界を飛び越えるハリガネムシ
2 槍形吸虫の「時限式タイマー」
3 レウコクロリディウムの「視覚と嗜好の反転」
4 菌類によるハイジャックと植物に対するハイジャック
5 社会のセキュリティをすり抜ける侵入者
第6章 ヒトも操られている!? 目には見えない操縦者たち
1 宿主を凶暴化させる高度な生存戦略
2 あなたの性格や食欲の真の主導者とは?
3 見えざる「心の病」のトリガー
4 記憶と遺伝子を書き換える「脳内の侵入者」
5 トキソプラズマの社会的ハイジャック



