出版社内容情報
「三角関数」または「サイン」「コサイン」「タンジェント」といえば,「記憶にはあるけれど何を意味しているのかは覚えていない」という人は多いかもしれません。
現代社会に暮らす私たちの生活は,コンピューターやインターネット,スマートフォンの普及により,格段に便利になっ
ています。コンピューターゲームや動画配信,近年はAI技術も進み,地震大国でもある日本では,地震速報といった防災技術の研究も進んでいます。実は,こうしたさまざまな技術の根幹にあるのは,ほかならぬ三角関数なのです。
三角関数の誕生は,古代ギリシアにさかのぼります。当時の社会の基盤は農業であり,栽培や収穫の時期を把握するためには暦が必要不可欠でした。そのため,当時の科学者たちは直角三角形の性質から三角関数の元となる考え方を生みだし,それを使って天体の位置を記録し,暦を作成していたのです。
シンプルな三角形から生まれた三角関数ですが,やがて三角関数は波と深い関係にあることが発見されました。そこから,光や音といった自然界の波の分析が可能になりました。三角関数をうまく使うことで,どんなに複雑な波も再現することが可能になったのです。スマートフォンやインターネット通信,ゲームプログラミングやAIの音声技術,地震速報などはすべて,電磁波や音波,地震波といった自然界の波を分析し,再構成することで生みだされた技術なのです。つまり,現在の私たちの生活は,三角関数が支えているといっても過言ではないのです。
本書は,三角関数についてのニュートン先生の講義です。この本を読み,ぜひ三角関数のエッセンスに触れてみてください。
【目次】
内容説明
科学を支える三角形パワー。天体の位置、測量、地震波の解析、ゲームプログラミング…。すべての基本は三角関数!
目次
1時間目 はじまりは三角形!(世の中は三角形であふれている!;すべての図形の基本は「三角形」 ほか)
2時間目 三角関数のキホン サイン・コサイン・タンジェント(三角関数は天文学から生まれた;サインの基本 ほか)
3時間目 三角関数どうしの深い絆(サインとコサインは結びついている;サインをコサインで割るとタンジェントになる ほか)
4時間目 三角関数から波へ(円を使って三角関数を定義する;90°よりも大きな角度を考えよう ほか)
著者等紹介
山本昌宏[ヤマモトマサヒロ]
東京大学大学院数理科学研究科特任教授。理学博士。1958年、東京都生まれ。東京大学理学部数学科卒業。専門は応用解析で、研究テーマは、偏微分方程式の逆問題の数学解析、非整数階偏微分方程式論、産業数学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。