出版社内容情報
現在,世界中でさまざまな種類のお酒が飲まれています。おいしい食事のお供としてだけでなく,お祝い事や神事で飲まれたり,お酒は私たちの生活や文化に欠かせない存在となっています。
一方,お酒は純粋にサイエンスとしても興味深い対象です。たとえば,酒をつくる際のアルコール発酵は,人類最古のバイオテクノロジーといえるでしょう。また,酒に強い人や弱い人,まったく飲めない人がいるのはなぜなのでしょうか? そもそもヒトはなぜ酒を飲むようになったのでしょうか? 興味は尽きません。
本書はそれらの謎に,多角的な視点でせまっています。まず第1章では,主に考古学的な視点で酒の起源と,現在世界各地で飲まれている多種多様な酒のルーツをたどります。第2章では,ヒトはなぜアルコールを代謝できるように進化したのかといった謎に,人類学や遺伝学でせまります。第3章では,アルコール発酵とは何か,醸造酒と蒸留酒のちがいなど,酒づくりのサイエンスをあつかいます。第4章では,お酒と体質の謎を解き明かします。お酒に強い弱いの体質は遺伝的に決まっていて,五つのタイプにわけることができます。
本書は,アルコール依存症やアルコールがもたらすさまざまな病気といった,お酒がもつ負の側面についても取り上げています。
飲酒はもちろん20歳を過ぎてからですが,本書があつかっている酒と人類の科学は,中学生でも十分に楽しめる内容になっています。本書を読んで,人類が育んできた酒の奥深さを知っていただければ幸いです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
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酒の起源:農耕起源 西アジア 紀元前9000年 自然発酵 果実酒 穀物栽培 ギョベクリ・テペ ラケフェット洞窟 酒の種類と製法:日本酒 焼酎 ワイン ビール 醸造酒 蒸留酒 こうじ菌 単発酵 複発酵 蒸留技術 文化と社会:宗教儀礼 贈答文化 宴会 社会的絆 結婚式 祭り ノンアル文化 アルコール依存症 日本酒文化:地域性 特産原料 伝統酒文化 米文化 泡盛 酒造業界 サステナブル製法 体質と健康:ADH遺伝子 ALDH2 アセトアルデヒド 遺伝的耐性 アルコール代謝 適正飲酒 心血管疾患 健康リスク2025/03/30
RuiRui
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(P120)ヒトの肝臓の一生の処理能力は、純アルコール1トン(男性/女性は500Kg)で、ざっくり計算だとアルコール濃度5%の350缶で7万本らしい2025/04/12