出版社内容情報
近年,外出すら危険な猛暑日や,人々が命を落とすほどの豪雨災害といった,はげしい天候の日が増えています。いったいなぜ,このような現象がおこるのでしょうか。
たとえば大雨は,地球温暖化による長期の気温上昇で大気中の水蒸気が増え,その分だけ雨が降る傾向にあるため,その頻度が徐々に増えています。また,せまい範囲で起こる集中豪雨の原因は,長さ数百キロメートルになることもある積乱雲の列「線状降水帯」です。
気象の理解を深めると,これまで何気なく見ていた空や天気予報が,より興味深いものになるはずです。また災害をもたらす気象のしくみを知ることで,今後想定される災害や,とるべき防災行動について備えることができるでしょう。
本書では,私たちの生活に直結する「天気」のしくみをやさしく解説します。気象について一から学びたい方や,学び直したい方など,多くの方に気軽に読み進めていただける内容になっています。不思議と謎に満ちた〝天気の世界〟を,どうぞお楽しみください。
内容説明
ゲリラ豪雨はなぜおきる。地球温暖化で異常気象が急増!?
目次
第1章 雨や雪はなぜ降るのか?(雲の正体は、水や氷の小さな粒;雲粒が合体し、100万倍の大きさの雨粒ができる ほか)
第2章 四季の天気はどうやって決まるのか?(「低気圧」と「高気圧」が天気を左右する;日本に四季をもたらす「四つの高気圧」 ほか)
第3章 世界の気象や気候はどうやって生まれるのか?(世界の気候をつくりだす「海と大気」;雨季と乾季をくりかえすアフリカのサバンナ ほか)
第4章 「気象災害」と「異常気象」はなぜおきるのか?(積乱雲が集まって台風になる;台風はカーブをえがいて日本にやってくる ほか)
第5章 天気予報はどうやってつくられるのか?(陸、海、空、宇宙から大気を観測;スーパーコンピューターで、地球の大気をシミュレーション ほか)
著者等紹介
渡部雅浩[ワタナベマサヒロ]
東京大学大気海洋研究所教授。博士(理学)。東京大学理学系研究科博士課程修了。専門は気象学、気候力学。主な研究テーマは気候変動の物理学、大規模大気循環の力学、気候モデリング。IPCC第6次評価報告書執筆者にも選出される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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