出版社内容情報
「時間」はつねに当たり前のように流れていきます。しかし,なぜ時間は過去から未来へと一方向にしか流れていかないのでしょうか。時間にはじまりや終わりはあるのでしょうか。また,「楽しい時間ほど早く過ぎてしまう」と感じるのはなぜなのでしょうか。本書では,物理学でとらえる時間のおどろくべき正体や,私たちが“心”で感じる時間の不思議など,さまざまな角度から「時間とは何か」についてせまっていきます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
特盛
24
評価3.5/5。物理、生物学、心理学など様々なアプローチで時間について分かっていることが取り上げられる。印象に残ったテーマは次の通り。量子物理の位置と運動量の非可換性が時間の種である可能性、ループ量子重力理論での粒子の相互作用から編み出される時間、エントロピーと時間、一日が毎日時間が違う話、年を取ると時間が早く感じるのはジャネーの法則以外にも理由がある点、意識下の”今”が編集された錯覚である話などなど。時間は、聞かれなければ何か分かっているが聞かれると何かわからないってやつね。不思議で興味は尽きない。2025/03/28
都人
2
理解できるわけないが、ページを眺めているだけで面白い。2024/10/12
さとまゆ
0
私が取り組んでいる生物学に関わる記述は、P138-155。 体内時計、概日リズムは、時計遺伝子と呼ばれる複数の遺伝子から作られるタンパク質が周期的に増減することで生み出される。 本来、時計遺伝子からタンパク質ができる速度は温度が下がると鈍くなる。しかし、寒い環境でも概日リズムは変わらない。ここに関わるのがカルシウムイオン。寒い環境ではカルシウムイオンが時計遺伝子に働きかけ反応を活発にさせる。2025/04/07