出版社内容情報
私たちは知らず知らずのうちに,思いこみにとらわれることがあります。「自分はそんなことない!」と思うかもしれませんが,心理学によると,人間の記憶や判断などの「認知」は,先入観などから大きな影響を受けているといいます。
記憶や判断の偏りを「認知バイアス」といいます。いわば,“考え方のくせ”ともいえる認知バイアスは,だれの心にもひそんでいます。たとえば,自分とはちがう考えの人を「変わった人だ」と思ったことはありませんか? また,行列を見ると並んでみたくなったり,まわりに合わせて意見を変えたり,オーガニック食品が健康によさそうだと感じたりするのも,認知バイアスによるものと考えられるのです。
認知バイアスは,すばやい判断や心の安定などに必要な場合もあります。しかし,極端な偏りは合理的な判断をさまたげ,差別や偏見につながることもあるといいます。
この本では,日常的におこりがちな認知バイアスを,身近な事例やわかりやすい図を用いてやさしく紹介していきます。認知バイアスを理解して,客観的で合理的な判断力を手に入れましょう。
内容説明
先入観や偏見にとらわれない合理的な判断力が身につく。
目次
プロローグ あなたの心にも「バイアス」がひそんでいる!
1 脳がつくる「ゆがみ」や「偏り」(脳がつくりだす「現実とはことなる」世界;人は目の前の変化を、見落としがち ほか)
2 記憶にまつわる認知バイアス(「これくらいなら大丈夫」という思いこみに要注意!;過去の投資がもったいなくて、むだな投資をつづける ほか)
3 判断にかかわるバイアス(損をしたくないから、現状にとどまる;「考えるな」といわれると、そのことばかりが頭に浮かぶようになる ほか)
4 人間関係のバイアス(ステレオタイプによって見えるものが変わる;あなたが思うほど、他人はあなたに興味がない ほか)
5 集団にまつわるバイアス(自分が属していない集団の人はみんな同じに思える;自国チームの勝ちは実力!相手チームの勝ちは運だけ? ほか)
著者等紹介
池田まさみ[イケダマサミ]
十文字学園女子大学教育人文学部心理学科教授。博士(学術)。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程修了。専門は認知心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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