出版社内容情報
現在,うつ病は,先進国における健康問題として20~40代までの世代でトップを占め,WHO(世界保健機関)の推定では,世界人口の約15%が生涯,一度はうつ病を経験するといいます。しかし発症しても,社会の偏見を恐れて言い出せなかったり,「精神の風邪」と軽く考えたりすることから,重症化する例が後を絶ちません。
本書は,欧米の最先端研究に基づき,発症の原因や治療法の進化を中心に,予防策や今後の研究課題など,うつ病に関して知っておきたいことをコンパクトにまとめたものです。誰もがもっておきたい予備知識が身につき,うつ病と正しく向き合うことができるでしょう。
内容説明
現在、うつ病は先進国の健康問題として20~40代までの世代でトップを占め、WHO(世界保健機関)の推定では、世界人口の約15%が生涯一度はうつ病を経験するといいます。しかし、社会の偏見を恐れて言い出せなかったり、「精神の風邪」と軽く考えたりすることで、重症化する例が後を絶ちません。本書は、発症の原因や治療法、欧米の取り組みや今後の研究課題など、最先端の知見に基づくうつ病のすべてをコンパクトにまとめています。誰もがもっておきたい予備知識が身につき、うつ病と正しく向き合うことができるでしょう。
目次
第1章 メランコリア小史(黒胆汁からストア派哲学者まで;中世のメランコリア;悟りの時代から近代精神医学の誕生まで)
第2章 現代のうつ病の診断と分類(クレペリンと精神病の分類;フロイトと神経症の分類;分界線、領域の限界を示す境界線)
第3章 どんな人がうつ病になるのか?(疫学;地理;文化と民族性;社会経済;年齢;婚姻関係;生涯にわたるうつ病;幼少期;青年期;子育て世代の女性のうつ病;男性のうつ病;自殺)
第4章 うつ病のモデル(生物学的モデル:モノアミンと神経内分泌の仮説;心理学的モデル:ベックの認知モデル;社会的モデル;ブラウンとハリスによる女性のうつ病に関する研究;バイオ・サイコ・ソーシャル(生物・心理・社会)のモデル
家族研究
遺伝的脆弱性
環境の影響)
著者等紹介
タッキ,メアリー・ジェーン[タッキ,メアリージェーン] [Tacchi,Mary Jane]
イギリスの国民保険制度NHSの組織メンタルヘルス・トラストの顧問精神科医。ニューカッスルで危機評価と在宅療養チームを推進し、2002年、年間優秀勤務医賞を受賞
スコット,ジャン[スコット,ジャン] [Scott,Jan]
ニューカッスル大学精神医学教授。国際的に認知されている気分障害の研究者であり、うつ病と双極性障害の新しい治療法を開発した。国際認知療法アカデミーの創設メンバーとして名高い
稲田健[イナダケン]
北里大学医学部精神科学教授。北里大学大学院医療系研究科博士課程修了。医学博士。日本精神神経学会専門医。精神保健指定医。精神科薬物療法を中心に、病気のメカニズムなど神経科学についても日々勉強中
大庭有美[オオバユミ]
1989年オーストラリア移住。ニューサウスウェールズ大学医療科学士号取得。医療研究員や自閉症幼児セラピストなどを経て、シドニーの日系並びに現地メディアでバイリンガルライター・翻訳・通訳者として活動している
林カオリ[ハヤシカオリ]
文筆家・編集者・翻訳エディター。合同会社パブリスプラス代表。関西学院大学社会学部卒。15年のオーストラリア生活で身につけた語学力と国際的視野を生かし、書籍・新聞・雑誌など、多分野で執筆・編集活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。