内容説明
この1冊で「遺伝」が簡単にわかる!
目次
第1章 魂・種・男尊女卑 紀元前二五〇〇~西暦四〇〇年
第2章 中性の性・種・罪
第3章 近代初期(一四五〇~一七〇〇年)における遺伝
第4章 啓蒙時代の遺伝
第5章 十九世紀の遺伝
第6章 分子と人間
第7章 新たな地平
第8章 進歩と可能性
著者等紹介
ウォラー,ジョン[ウォラー,ジョン] [Waller,John]
ミシガン州立大学医学史科学史准教授。科学の発見と社会史における書籍を複数執筆。最近では、「人間性の喪失の歴史」について研究。完成を目前に控えている
廣野喜幸[ヒロノヨシユキ]
東京大学大学院総合文化研究科教授。18~21世紀の生物学・医学史を生命思想・医学思想・環境思想の側面から探求。また、現在の生命操作技術について、あるいは科学技術コミュニケーションについて、科学技術社会論の観点から考察している
亀濱香[カメハマカオリ]
文化女子大学卒。ハワイ大学学士課程修了。外資系企業の社内翻訳者、ハワイアンフラの講師や通訳・翻訳者を経て翻訳家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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noko
5
有志以来から現代までの人類の生殖と遺伝の歴史を振り返り、遺伝について学べる本。紀元前5世紀から4世紀ごろには、ヒポクラテス派の医師が、両親からくる物質が一体となり子供を作るとした。紀元前350年アリストテレスは種を提供するのは男で女は素材を提供するとした。生殖において女性は脇役であるという考えはアリストテレスが述べ、長く定説となった。生殖における女性軽視は古代社会の農業的な世界観と、女性の従属的地位という観点からきている。中世の学者も女性や民族的部外者、社会的部外者の劣勢を認めている。勘違いも甚だしい。2023/10/09
テト
3
遺伝という生物の現象を、人間の歴史と見たときに、そこにあるのはイデオロギーや優劣、偏見というような社会的な意識が常に関わるものであり、今後も潜在的にもこの関係は影響を与えるものとなることが心配に感じた。科学の加速的発展はどのような変化を与えるだろうか。2021/07/17
sho
2
人々の間の先天的な違いや遺伝について、古代から現代までの人々の認識や科学的な発見を概観したもの。後半の研究の具体的な記述は中々とっつきづらい部分はあるものの、全体的には「歴史に関する本」のようなタッチで、遺伝という切り口でさっくりと読むことができた。想像以上に、遺伝というものが人々の差別意識と結びついているということが分かって衝撃だった。2021/06/19
Go Extreme
2
魂・種・男尊女卑:子を授かる奇跡 種・体液・空気 セックス・ジェンダー・生物学 想像と類似 野蛮人と平民 中世の性・種・罪:アリストテレスとガレノス ジェンダー・人種・不平等 近代初期:レオナルド・ダ・ヴィンチ ジェンダー・人種・上流階級 啓蒙時代:遺伝の科学 人種・奴隷制・帝国 19世紀の遺伝:植物学者 人種・奴隷制・植民地化 分子と人間:メンデル説の勝利 遺伝子発見 遺伝子の働き発見 分子・医学・心 新たな地平:組み換えDNA 氏か育ちか 新優生学 分子生物学 イデオロギー 進歩と可能性:不確かな未来2021/04/15
ちゃん太郎
1
ヒトという集団はいくつもの遺伝子でヘテロ接合的な雑種である 考え方や慣習は白人による文明社会を理想とし、順次劣るものを直線上に並べていく物差しで比べられるようなものではない 同じ遺伝子でも異なる環境・文化・経済状況で違って発現され得る2021/06/15