ニュートンムック Newton別冊
死とは何か - 死ぬとき、私たちの体に何が起きているのか

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  • サイズ A4変判/ページ数 159p/高さ 28cm
  • 商品コード 9784315521580
  • NDC分類 461.1
  • Cコード C9445

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひろき@巨人の肩

96
細胞と人間の両側面から死を考察した本書。寿命と死は、進化の過程で有性生殖を獲得したことで発生した。生命にとって環境変化に適応できる多様性の獲得こそが絶滅せずに遺伝子を残すための最適解。その進化の末に約37兆個の体細胞からなる人間が生まれ、人間の意識が人間自身の死について考えるようになる。養老孟司氏曰く、個人の死は社会が決める。死の三兆候とは、心拍の停止、呼吸の停止、瞳孔反応の喪失。脳幹の機能停止が脳死。SNSによる三人称の死の増大、遺伝子操作、再生医療の発達は、命の尊厳が失われていくリスクとなり得る。2022/11/23

井月 奎(いづき けい)

44
何をもって死というか、そのの曖昧さにおどろきを抱きました。しかし事実として死は訪れるのです。私はだからこそ死をもってして命の永遠性を高めたいと思っているのです。それは他者の心の中に生きる命、という意味です。宗教的、家族的、その他の関係でもなんでもかまいません。だれかのなしたことと、だれかのありようを心に刻み生きていくことが命の永遠性であり、そしていつか個人の名や存在は薄くなっていきますが、誰かの素養となり生きていくのです。だれかの素養となるのですから、自分の素養を活かしきっていくことが肝要だと思うのです。2020/11/07

マリリン

24
死の三兆候が揃った状態で生死を判断する事は漠然と知っていたが、死は瞬間的に訪れるものではなく時間の経過をみないと解らない。経過を見続けるのは辛い時間だ。細胞の老化はガン化を防ぐセーフティーネットという事は初めて知ったが、年齢が高くなるにつれガンの進行が遅くなるという話を聞いたことがあるので納得。臨終直前の人の突然の回復はその場面に立ち会った事があるので、科学では解明できない人間の生と死の問題は少なからずあるのだと思った。たまたま臓器移植に関する記事を読んだので本書の内容に興味を持った2020/02/25

テツ

21
理系学問は高校レベルの時点で吐き気がするくらいに苦手だけれど読み物としてはとても好き。ぼくたちの身体で何が起きて死というイベントが訪れるかということについて学ばせてくれる。種を進化させ保存させるためには個体は次々と新しい世代を生み出してさっさと死んでいくことが理にかなっていたからそうなっているのかな。そうだとしたら種としてもうこれ以上を望めない完璧な個体が誕生したとしたら、彼or彼女は生むことも死ぬことも必要としないんだろうか。今のところはみんな遺伝子の乗り物であり奴隷として励むしかないんだなあ。2020/02/09

チャー

12
生物学的な視点から死について解説した本。人体の働きや遺伝子レベルの機能を図でわかりやすく説明しながら生物の死を分析している。個々の臓器や細胞のはたらき、誕生と消失の仕組みを知ることで、死の仕組みと見方について少し考えることができた。成長のピークを過ぎ歳を重ねれば体は衰える一方であるが、細胞レベルでは毎日死と再生が繰り返されており、からだ全体として継続した意識が存在する。著名な学者二人のインタビューでは、死の境界線は他社との関係を含め社会的に判定される面もあるという考えが述べられており、大変印象的であった。2021/02/06

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