出版社内容情報
与力、同心、岡っ引き…
罪を犯さぬ人はいない――
厳しさと優しさに満ちた
宇江佐文学の真骨頂。
過ちを一度も犯さない
人間はいない――
為吉は幼いころ呉服屋の跡取り息子だったが、両親を押し込み強盗に殺されていた。その後、北町奉行所付きの中間となっていたが、両親を殺した盗賊集団の首領が捕まったとの知らせが届く。その首領の発したひと言は為吉の心に大きな波紋を広げ…。江戸北町奉行所を舞台に描く著者渾身の連作長編。執筆の経緯を綴った著者エッセイに加え、新たに作家仲間の直木賞作家・朱川湊人氏の追悼エッセイが加わった新装版。
内容説明
為吉は幼いころ呉服屋の跡取り息子だったが、両親を押し込み強盗に殺されていた。その後、北町奉行所付きの中間となっていたが、両親を殺した盗賊集団の首領が捕まったとの知らせが届く。その首領の発したひと言は為吉の心に大きな波紋を広げ…。作家仲間でもある直木賞作家・朱川湊人氏が宇江佐氏との思い出を綴るエッセイが新たに収録の新装版。
著者等紹介
宇江佐真理[ウエザマリ]
1949年北海道函館市生まれ。95年「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。99年『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞を受賞。2001年に『余寒の雪』で中山義秀文学賞を受賞。2015年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふじさん
83
為吉は呉服屋の跡取り息子だったが、両親を押し込み強盗に殺された。叔母に引き取られ成長し、北町奉行所付きの中間となり、縁あって岡っ引きの田蔵の娘婿となり、幸せを掴む。まさに、為吉の成長物語だ。癌の治療の中で書き上げた最晩年の作品だけに、作家のこの作品に賭ける強い思いが伝わってくるだけに、心して読むことが出来た。与力の妻、見習い同心、岡っ引き等奉行所に関わる人々が登場し、いつもながらのタッチで次々に起こる出来事を温かい目線で描いて行く。シリーズ化を意識したような作品で、続きが読めないのが残念でならない。2024/12/04
ぶんぶん
26
【図書館】宇江佐真理の作品、読んでない作品はもう無いと思っていたが未読でした。 「北町奉行所ものがたり」として色々な人物を配して奉行所の事が書きたかった事が「あとがき」を読めばわかる。 そのような長編を読みたかった気がする。 しかし、ガンに措かされた体では長期は無理である。 どれだけ辛かった事だと思う、自分の身体を考えなければならないのに小説の筋を変えても読者に届けようとする気持ちに泣ける。 宇江佐さん、ありがとうございます。 貴女のお気持ちは一生大切にしたいと思います。 改めて、合掌!2025/02/03
ばるたん
4
短編集のように、いろいろな人間模様が為吉に繋がって行く。いつもの町民の暮らしを細かく捉えた著者の巧みさがとても良い。2025/03/10
みちちゃん
3
宇江佐さんが亡くなられてから久しぶりに読んでみた。 宇江佐さんの情緒ある数々の作品に魅了された私だった。 それだけに亡くなられてから残念もあり手に取ることができなかった。未読のこの作品を見つけたのが嬉しかった。 宇江佐ワールド全開で懐かしく味わえた。両親を幼いころに亡くした為吉が孤独ながらも真面目に生きてやがて 幸せをつかむ道程が身近に感じられ迫ってきた。2024/10/04
fumin
1
以前読んだ本、本棚整理のため
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