感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hyena_no_papa
3
大宰府について調べる時、もっぱら藤井功・亀井明徳『西都大宰府』を開くが、書棚にこの本を見つけて久々に再読。本書は新書判ゆえにほぼ文字で尽くされており、視覚的な部分では図版の多い『西都大宰府』に一日の長がありそうだが、大宰府について学ぼうとする際の入門書の一としては文句なくお奨めである。巻末の「研究の手引」は先学の成果を掲げ、研究の指針として貴重な一節と言えよう。「刀伊の入寇」の際の朝廷の対応は、それから何百年後の有様を連想させ興味深い。「大宰府関係略年表」を付すことも忘れず、教育社歴史新書のレベルを示す。2021/05/28