塗りつぶされた町―ヴィクトリア期英国のスラムに生きる

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塗りつぶされた町―ヴィクトリア期英国のスラムに生きる

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  • サイズ A5判/ページ数 461p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314011617
  • NDC分類 368.2
  • Cコード C0022

出版社内容情報

繁栄のきわみにあった大英帝国首都に巣食う不条理とやがて「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれる福祉制度が萌芽するまでをつぶさに描く19世紀末、繁栄のきわみにあった大英帝国の首都に
すさまじい貧困のなか6000人が暮らすスラムがあった――

都市型スラムの原型ともいわれるイースト・エンドのニコル地区は
いかに生まれ、消えていったのか
社会主義や優生学など当時生まれた思想はいかなる影響を与えたのか
福祉制度の成立にいかに寄与したのか――その歴史に迫る


「徹底的にリサーチされた、傑出した社会史。対象に向けた視線が優しい」(インディペンデント紙)

「聡明な歴史家サラ・ワイズが手がけた本書は、ヴィクトリア期の悲惨を描いた表面的なメロドラマにはならない……ここには本物の人生が描かれている。表立って語られずとも、読者は今の時代に通じるものについて考えないではいられない」(デイリー・テレグラフ紙)

「ニコルは今日における都市型スラムの原型であった。本書を読んで、驚愕せよ」(ニュー・ステイツマン誌)

サラ・ワイズ[ワイズ サラ]
著・文・その他

栗原 泉[クリハラ イズミ]
翻訳

内容説明

都市型スラムの原型ともいわれるイースト・エンドのニコル地区はいかに生まれ、消えていったのか。社会主義や優生学など当時生まれた思想はいかなる影響を与えたのか。福祉制度の成立にいかに寄与したのか―その歴史に迫る。

目次

第1部 空文(飢餓帝国―オールド・ニコル一八八七年;スラムはこうして生まれた ほか)
第2部 スラムに生きる(プリンス・アーサー;助けの手 ほか)
第3部 対策(象を突っつく―社会主義とアナーキズム;声を上げる―露店・予防接種・義務教育 ほか)
第4部 ストライプランド(夢見る人たち―ロンドンの行政改革;バウンダリー・ストリート計画―交錯する思惑)

著者等紹介

ワイズ,サラ[ワイズ,サラ] [Wise,Sarah]
バークベック・カレッジで、ヴィクトリア期を研究し、修士号を取得。現在はカリフォルニア大学ロンドン研究センターで19世紀英国の社会史を教えるほか、「TLS」「ヒストリー・トゥデイ」「BBCヒストリー・マガジン」「フィナンシャル・タイムズ」などに、ロンドンの都市と労働者の歴史、医学史、心理地理学について寄稿している

栗原泉[クリハライズミ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BLACK無糖好き

18
19世紀、ロンドンのイーストエンドにスラムが形成される過程と、そこで暮らす人々を救済するための様々な活動を描出。『子どもたちの階級闘争』でブレディみかこさんが、国家による個人の生活への介を問題視していた「児童虐待防止法」について、本書でその成立過程を見ると、この時代のスラムでの家庭環境では法の力で子供を守る事が優先されたのも分かる。あとは運用の仕方なのであろう。◇精力的にスラムでの慈善活動に取り組んでいた国教会聖職者が、徐々に優生学・人種主義思想に傾倒していく様は、『ナチズムは夢か』を彷彿させる。2020/02/13

8
友成純一が翻訳した、スティーブ ジョーンズのロンドン三部作以来、なにかと興味を惹かれ続けているこの町、この時代。前述のものに比べるとお堅い印象の本書だが、それでも扱う題材のせいでかなりのリーダビリティ。後半に至るにつれ、キリスト教的素養がないと分かりにくいところも増えるが、切り裂きジャックが出没し、ディオ・ブランドーが石仮面を手に入れた舞台でもある。紅茶とスコーンと仮面舞踏会の裏でなにがあったのかを知れるのは楽しい。2019/07/09

hal

8
ビクトリア期のイギリスの「ニコル」という名のスラムをテーマにしている。何人かの人達に関する史料を元に、当時の様子が書かれているが、口調が感情的すぎる部分があり、内容が一方的なものなのではという印象が残ったのが残念。ただ、この時代の極貧の人達の生活の一端に触れられたのは、非常に意義深かった。2018/11/05

kuukazoo

7
ヴィクトリア朝時代のロンドンで最下層の人々が住んでいたスラム街ニコル。なぜスラム街ができたのか、なぜ改善がなされずひどい環境のまま放置され続けたのか、極貧の人々に対して社会はどのような態度であったのか。格差社会が生まれ、それが固定化される仕組みは昔も今もUKもJAPANも変わらない。生活保護バッシング構造と同じものをこの時代にもみて、ちょっと人間に絶望する。一部の人の献身的な行動によって救われるケースもあるがはなから限界はあるし頼みの綱の行政は現実をちっとも見ちゃいない施策ばかり。正しい答えはあるのか。2018/10/23

qoop

4
19世紀末ロンドンの貧民窟。本書はそんなスラム街を改善するために乗り出した個人/組織の行為を概括したものだが、善意が内包する闇、欲望を糊塗した偽善、なし崩しに姿を変える計画…と表裏一体の営みを活写していて引き込まれる。例えば、精力的に住民の救済を行う牧師が同時に優生学の信奉者で、住民の窮乏は劣った遺伝子の必然と捉えていた、などはその代表だろう。このように救済活動の動機と結果は往々にしてもつれ合い、時に反転して住民たちを一層追い詰めて行く。福祉をめぐる暗中模索の記録として読みでがあったし、現代的だと感じた。2019/01/07

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