出版社内容情報
マッカーシー旋風の吹き荒れるアメリカからスイスへと移住。死の二週間前まで書き継がれた、ヨーロッパ精神史の貴重なドキュメント。
躊躇,逡巡の末,マッカーシー旋風の吹き荒れるアメリカから,東西対立がなお市民生活に暗い影を落とすスイスへと移住。鬱陶しい政治状況,また老いにより衰えゆく力を自覚しながらも,レジョン・ドヌール勲章,ピオ十二世との謁見などの「祝宴」に鼓舞され,旺盛に執筆活動を続ける。しかし最期の時は迫っていた。死の二週間前まで書き継がれた,最晩年の日記。
著者等紹介
マン,トーマス[マン,トーマス] [Mann,Thomas]
1875年6月6日北ドイツのリューベクに生まれる。1894年ミュンヒェンに移り、1933年までここに定住、1929年にはノーベル文学賞を授けられる。1933年国外講演旅行に出たまま帰国せず、スイスのチューリヒに居を構える。1936年亡命を宣言するとともに国籍を剥奪される。1938年アメリカに移る。戦後はたびたびヨーロッパ旅行を試みたが、1952年ふたたびチューリヒ近郊キルヒベルクに定住、1955年8月12日チューリヒの病院で死去する
森川俊夫[モリカワトシオ]
1930年生まれ。1953年東京大学文学部独文科卒業。一橋大学名誉教授
洲崎惠三[スザキケイゾウ]
1935年生まれ。1965年東京大学人文科学研究科修士課程修了。1999年文学博士。筑波大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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