出版社内容情報
大衆文学に初めて分析のメスを入れた力作
大衆文学は1920年に成立したといわれるが、著者はさらに遡って江戸時代の講談、落語などの大衆文化の中にまで踏みこみ、「大衆とは何か」「大衆の望む面白さとは何か」の問いを軸に、日本人の精神構造にふれるなにかをつかもうとする。理論は不要とみなされてきた大衆文学の領域に初めて分析の筆を入れ、大衆文学を日本の文学的伝統の中に正当に位置づけた力作。
内容説明
「大菩薩峠」「国定忠次」「鞍馬天狗」などのチャンバラものに代表される大衆文学は、大衆に迎合する通俗文学と批判されながらも、そこで活躍する主人公達のイメージは我々の心に今も強烈に生きている。この不思議な魅力はどこから来るのか。大衆文学は1920年代に成立したといわれるが、著者はこの成立史をさらに遡って江戸時代の講談、落語などの大衆文化の中にまで踏みこみ、「大衆とは何か」「大衆の望む面白さとは何か」の問いを軸に、日本人の精神構造にふれるなにかをつかもうとする。さらに、民族的思考の一表現としての大衆文学にも思索をめぐらせる。理論は不要とみなされてきた大衆文学の領域に初めて分析の筆を入れ、大衆文学を日本の文学的伝統の中に正当に位置づけた力作。巻末に現在までの大衆文学文献を付す。
目次
1 大衆文学のおもしろさ
2 大衆文学の成立
3 時代小説の効用
4 虚構のなかの英雄たち
5 もう一つの修羅を
6 民権講談から社会講談へ
7 大衆の二つの顔
8 国民文学の周辺
9 戦後の大衆文学
著者等紹介
尾崎秀樹[オザキホツキ]
1928年台北市に生まれる。台北大学医学専門部中退。大衆文学研究会を設立。元日本ペンクラブ会長。1999年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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