出版社内容情報
人間意識の壮大な発達を、世界の神話に見る。
「個人の自我意識の発達は、人類の歩んできた意識発達の元型的諸段階を辿る」という雄大な仮説をもとに、その軌跡を世界の神話の中に探る。母子未分化のカオスの状態から、意識が広大な無意識の海に出現し、さまざまな危険と試練を経て無意識を統合する過程が、創造・英雄神話に見事に表現されている。ユングの高弟ノイマンの代表作で、訳を改訂、新規図版収録。
■週刊文春10/26
「序文として一言書いて欲しいという著者の希望に、私は喜んで応じることにした。
なぜならこの稀にみる労作は大いに私の意に叶ったからである。
なにしろこの研究は、私がもし生まれ変われるものなら、自分の研究の
<ばらばらになった身体>-「手をつけたままで投げ出しておいた」すべてー
を集め、整理し、まとまりをつけるべく取りかかっていたはずのまさにその仕事に
取り組んでいるのである。
本書の原稿を読んで、私は開拓者の仕事がいかに不利であるかを思い知らされた。」
C.G.ユング
序文 C.G.ユング
内容説明
無意識の海から意識が誕生し様々な試練を経て自我を確立するまで、こころの意識発達を神話の中の具体的イメージの変遷でもって描きだす。
目次
第1部 神話に見られる意識発達の諸段階(創造神話;英雄神話;変容神話)
第2部 人格発達の心理的諸段階―心的エネルギー論と文化心理学のために(始源の一体性―中心志向と自我形成(神話的段階 ウロボロス、および太母)
体系の分離―中心志向と分化(神話的段階 世界両親の分離、および「竜との戦い」)
意識の平衡と危機
中心志向と年齢―年齢断階の意味)
著者等紹介
ノイマン,エーリッヒ[ノイマン,エーリッヒ][Neumann,Erich]
1905~1960。1905年ベルリンに生まれる。エルランゲン大学でPh.D.を取得後、さらにベルリン大学で医学を学ぶ。1934年ドイツを去り、チューリッヒのユングのもとで学んだのち、テル・アヴィヴに移り、分析心理学者として活躍。元イスラエル分析心理学会会長
林道義[ハヤシミチヨシ]
1937年長野県に生まれる。東京大学法学部卒業。同大学院経済学研究科修了。経済学博士。東京女子大学元教授。日本ユング研究会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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