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教育不信と教育依存の時代

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784314009805
  • NDC分類 370.4
  • Cコード C0037

出版社内容情報

昨今の教育改革はとかく印象論・精神論に流れがち。少年事件をはじめ、すべてを「教育問題」に押し込めてこれまでの教育を糾弾する(教育不信)一方、それをさらなる教育によって解決しようとする(教育依存)短絡的な思考もはびこっている。これではかえって息苦しい社会を招くのではないか。冷静な議論と将来ビジョンを欠いた教育行政へ鉄槌を振り下ろす一冊。


2005年掲載
朝日新聞5/1、出版ニュース4/下旬号、児童心理6月号、流行通信7月号、女のしんぶん7/10、週刊朝日9/23号、英語展望夏号、図書新聞12/17号

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何のための「改革」?

メディアが垂れ流す
   教育の「危機」「荒廃」イメージに
       踊らされてはいけない。

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教育の現状を過度にネガティブにみて、
「ともかくどういう方向でもよいから、今の教育を変えろ」と叫ぶとしたら、
俗受けする短慮の改革がなされていくことになってしまう。
それは、私にいわせると、われわれの社会にとって非常に危険である。
一つには、<危機>を煽る言説に振り回されずに「リアルで等身大の教育像」から出発すること。
もう一つには、慎重で知的な議論を尽くしてこれからの方向をさぐっていくこと。
ーーー過度な不信と依存を振り払って、読者の方も教育について考えていってほしい。 (本書より)

内容説明

メディアが垂れ流す教育の「危機」「荒廃」イメージに踊らされてはいけない。

目次

1 教育改革をめぐって(息苦しい社会を選ぶのか―教育基本法改正の問題点;教育改革のジレンマ―美しい話にはワナがある)
2 青少年と子供(少年たちの面倒は誰がみてきたか―子育てエージェントの歴史的変化;少年事件と教育の課題;子供に戦争を教えること)
3 教育史の視点(教育と国家―教育政治のねじれと戦後教育史像)

著者等紹介

広田照幸[ヒロタテルユキ]
1959年、広島県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。南山大学助教授などを経て、東京大学大学院教育学研究科助教授。専攻は、教育社会学・社会史。著書に、『陸軍将校の教育社会史』(世織書房、サントリー学芸賞受賞)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

18
○独自の視点を数的根拠等を用いつつ説明しておりわかりやすいです。教育批判の構造、特に冷戦期とそれ以降の違いはかなり印象に残りました。2023/08/29

ラグエル

7
「青少年犯罪が増えているから教育改革が必要」というのは議論の「スタートのところでこけている」。教育力低下→「今ほど熱心に子育てしている時代はない」。「多様化を進める教育改革は、地域間格差や階層間格差を広げてしまう」。いや、ホント。こりゃ大変なことなんですよ、全く。「地域に根ざした学校」と教育委、で高校は「地域に信頼される学校」目指し、進学実績向上にムキになる。あー、あるある。それでも地域間格差も埋まるわけもなく! ぐさぐさ刺さる、というより、この著者にはわかってもらえてるんだ、と思った。2011/05/20

Nobu A

4
日本語教育に携わるが、大枠では同じ教育学。こんな先生がいるんだ!と目から鱗。数本の講演とエッセイを纏めた一冊。マス・メディアに溢れる教育不信に真摯に向き合い、疑問視。メディアの非行や犯罪を走る青年の報道とは正反対に減少傾向。学校教育を社会化機能と配分機能と捉え、現在の改革論が社会面にばかり目が行き、検証もなく、理想を追い求めていると批判。地域との連携で開放されると、リスクも伴う。教員という専門家に子供を委ねる必要性。色々と考えさせられる良書。アマゾンで注文している著者の次の本が届くのが待ち遠しい。2016/05/10

Falke

2
広田先生の本シリーズ、私の3冊目。各章のテーマが多岐にわたっていて、興味深かった。消えない疑問は、いまの子供は「問題なく」育っているのかだ。2010/03/17

イッコ

2
親として、多少なりとも教育には「不信」感を抱いたり「依存」したりしてみるが、一方で「理想」も語れない立ち位置を見つめ直すよいきっかけとなった良書。2009/08/25

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