出版社内容情報
昨今の教育改革はとかく印象論・精神論に流れがち。少年事件をはじめ、すべてを「教育問題」に押し込めてこれまでの教育を糾弾する(教育不信)一方、それをさらなる教育によって解決しようとする(教育依存)短絡的な思考もはびこっている。これではかえって息苦しい社会を招くのではないか。冷静な議論と将来ビジョンを欠いた教育行政へ鉄槌を振り下ろす一冊。
2005年掲載
朝日新聞5/1、出版ニュース4/下旬号、児童心理6月号、流行通信7月号、女のしんぶん7/10、週刊朝日9/23号、英語展望夏号、図書新聞12/17号
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何のための「改革」?
メディアが垂れ流す
教育の「危機」「荒廃」イメージに
踊らされてはいけない。
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教育の現状を過度にネガティブにみて、
「ともかくどういう方向でもよいから、今の教育を変えろ」と叫ぶとしたら、
俗受けする短慮の改革がなされていくことになってしまう。
それは、私にいわせると、われわれの社会にとって非常に危険である。
一つには、<危機>を煽る言説に振り回されずに「リアルで等身大の教育像」から出発すること。
もう一つには、慎重で知的な議論を尽くしてこれからの方向をさぐっていくこと。
ーーー過度な不信と依存を振り払って、読者の方も教育について考えていってほしい。 (本書より)
内容説明
メディアが垂れ流す教育の「危機」「荒廃」イメージに踊らされてはいけない。
目次
1 教育改革をめぐって(息苦しい社会を選ぶのか―教育基本法改正の問題点;教育改革のジレンマ―美しい話にはワナがある)
2 青少年と子供(少年たちの面倒は誰がみてきたか―子育てエージェントの歴史的変化;少年事件と教育の課題;子供に戦争を教えること)
3 教育史の視点(教育と国家―教育政治のねじれと戦後教育史像)
著者等紹介
広田照幸[ヒロタテルユキ]
1959年、広島県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。南山大学助教授などを経て、東京大学大学院教育学研究科助教授。専攻は、教育社会学・社会史。著書に、『陸軍将校の教育社会史』(世織書房、サントリー学芸賞受賞)などがある
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