出版社内容情報
日露戦後、軍馬改良の一環として競馬が奨励され、馬券も黙許された。だが、その利益を当て込んで競馬会が乱立、紛争・不正も続発して、明治41年、馬券競馬は廃止されるに至る。この騒動の片隅で、一見些細だが、やがて来る検察権力の暴走を予兆する事件が起きていた……。近代史研究の大御所が陸軍秘密文書を駆使しながら描く、歴史の裏側に隠されたドラマ。
2005年掲載
サンデー毎日4/24号、産経新聞4/11、読売新聞4/17、日経新聞4/17、朝日新聞4/17、出版ニュース4/中旬号、信濃毎日新聞5/15、週間読書人5/27、日本歴史8月号
内容説明
軍馬改良の勅命と競馬の奨励、馬券発売黙許、競馬会乱立、スキャンダル続発、馬券禁止…競馬をめぐる騒動のさなか、日本を揺るがす大事件がひたひたと迫っていた―陸軍秘密資料を駆使しながら描く、歴史の裏側に隠されたドラマ。
目次
序章 水師営の会見
第1章 馬匹改良の掛け声(家畜のなかで特異な存在、馬;退化した日本の在来馬;臨時馬制調査委員会)
第2章 競馬会ブームの到来(日本最初の近代競馬;競馬会乱立騒動;各地の競馬の乱脈と観客の騒動;馬券競馬廃止論の沸騰)
第3章 騎兵第二旅団の将校賭博事件(松戸競馬の馬券スキャンダル;騎兵旅団と憲兵隊との対決;田村久井という男)
終章 刑事検察から政治検察へ
著者等紹介
大江志乃夫[オオエシノブ]
1928年、大分県生まれ。名古屋大学経済学部卒。茨城大学名誉教授。小説『凩の時』(筑摩書房)で大仏次郎賞受賞
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