元型論 (増補改訂版)

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元型論 (増補改訂版)

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  • サイズ A5判/ページ数 524p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784314008402
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C1011

出版社内容情報

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ユング思想の根幹をなす「集合的無意識」と「元型」をめぐる、ユング自身の
理論的文章をすべて収録した決定版!!ユング思想理解に必携の一冊。

人間のこころには、フロイトのいう個人的な無意識だけでなく、人類に共通の集
合的無意識があるーーユングの独創であり、卓見である「集合的無意識」とその
パターンとしての「元型」をめぐるユング自身の理論的文章をすべて収録。古今
東西の該博な知識に裏づけられたユングの名文を長年の研究に基づいた丁寧な訳
註・解説を付け、日本語に再現する。
ロングセラー「元型論」(正・続)を合本、重要論文を追加、訳・訳註を改訂、新
たに図版多数収める。

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彼(ユング)の本当の独創は集合的無意識の発見と、それにいろいろなパターンがあるという発見にあったと言うことができる。
その意味では、集合的無意識のパターンである「元型」こそ、ユング思想の中心と言うにふさわしいものと思われる。・・・

ユング心理学の発想の根本は、心の動き(ないし働き)には人類共通のパターンがあり、しかも人間はそのパターンに
無意識のうちに従っているというものである。
このパターンをユングは元型と名づけたのである。・・・
つまり元型とは「本能」や「エネルギー」や「情動」などの心の動きのパターンだと言うこともできる。・・・

元型のことを「本能行動を導く振舞いのパターンだ」とか「本能を導くイメージだ」という言い方をしている。
本能はエネルギーや情動に当たるものであり、イメージはパターンに当たるものである。
彼はイメージやパターンを本能に対する精神の側に置いて捉えてもいる。・・・

「元型はイメージそのものであるばかりでなく、元型的イメージがヌミノースな性質、魅了する力をもっていることからも分かるように、同時に駆動力でもある」
と言っている。つまり元型とは内容と形式の両方を合わせたものだと言っているのである。
訳者解説 より

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Ⅰ 集合的無意識の概念
  一 定義
  二 集合的無意識の心理学的意義
  三 証明の方法
  四 例示

Ⅱ 集合的無意識の諸元型について
  一 元型とこころ
  二 キリスト教とシンボル
  三 水と無意識
  四 影は無意識への門である
  五 アニマとこころ
  六 意味と老賢者
  七 変容のプロセス

Ⅲ 元型―とくにアニマ概念をめぐって
  一 心の現象学
  二 認識の前提としてのこころ
  三 投影とシジギー元型
  四 元型の生得性
  五 アニマ元型の働き

Ⅳ 母元型の心理学的諸側面
  一 元型の概念について
  二 母元型
  三 母親コンプレックス
     1 息子の母親コンプレックス
     2 娘の母親コンプレックス
     3 母親コンプレックスのプラス面
     4 マイナスの母親コンプレックス
  四 結論
Ⅴ 母娘元型―デメテル=コレー神話
  一 ケースX
  二 ケースY
  三 ケースZ

Ⅵ 童子元型
  序論
  A 童児元型の心理学
     1 元型は過去の状態を表す
     2 いま働いている元型
     3 元型は未来を表わす
     4 童児モチーフの一者性と多数性
     5 童児神と英雄神

  B 童児元型の個別的な現象学
     1 捨子
     2 童児の無敵さ
     3 童児の両性具有性
     4 始原存在にして終末存在である童児
  結論

Ⅶ トリックスター元型―インディアン神話によせて

Ⅷ 精神元型―おとぎ話に見られる
  序
  一 「精神」という言葉について
  二 夢における精神の自己表示
  三 おとぎ話における精神
  四 おとぎ話における精神のシンボルとしての動物
  五 付録
  六 結論

Ⅸ 心の本質についての理論的考察
  A 無意識問題の歴史
  B 心理学にとっての無意識の意味
  C 心の分裂可能性
  D 本能と意志
  E 意識と無意識
  F 複合的意識としての無意識
  G 振舞いのパターンと元型
  H 一般的考察と展望

付録   修道士クラウス

訳者(林道義)解説
   パターンとしての元型
   元型の目的論的性質
   遺伝と「祖先の経験」
   普遍的にして個性的
   意識と元型の関係
   元型論の思想的意義
   元型論の認識論・方法論的意義
   各論文の内容的特長

内容説明

人間のこころには、フロイトのいう個人的な無意識だけでなく、人類に共通の集合的無意識がある―ユングの独創であり、卓見である「集合的無意識」とそのパターンとしての「元型」をめぐるユング自身の理論的文章をすべて収録した決定版。古今東西の該博な知識に裏づけられたユングの名文を、長年の研究に基づいた丁寧な訳註・解説を付け、日本語に再現する。ユング思想を理解するのに必携の一冊。

目次

1 集合的無意識の概念
2 集合的無意識の諸元型について
3 元型―とくにアニマ概念をめぐって
4 母元型の心理学的諸側面
5 母娘元型―デメテル=コレー神話
6 童子元型
7 トリックスター元型―インディアン神話によせて
8 精神元型―おとぎ話に見られる
9 心の本質についての理論的考察

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

41
ユング心理学の最も重要な概念の1つの『元型論』。ユングは太古の神話や宗教など、多様な時代や文化を超えた人類共通の無意識(集合的無意識)の存在を見出し、それを「元型(アーキタイプ)」と名付けた。自我(エゴ)、影(シャドー)、アニマとアニムス、太母と老賢者、トリックスター等の主要な元型だけでなく、その他の元型についても言及されていて非常に興味深かった。ユング心理学に詳しい訳者・林道義氏が「元型」に関する論文を体系的に編纂したもので、最後の訳者解説が本文の理解を手助けしてくれた。2020/02/22

roughfractus02

12
意識と無意識の統合である心は、歴史や文化を担う個々人の経験によって異なる。が、経験を超えた共通の何かもありそうだ。自由連想実験で著者が見出したのは民族の神話や宗教に表れる共通のパターン(アニマ/アニムス、太母、老賢者、影)だった。著者は人類全体の無意識の構造を元型と呼び、個人を超えた集団によって形成される構造を複数の元型のネットワークからなる集合的意識として動的に捉える。本書は心の中心に自己(Selbst)を設定し、従来の自我(Ich)を外界と交渉する主体と捉え直し、生を自己実現へ向けた変容過程と見なす。2021/05/09

∃.狂茶党

7
長いんで一部だけ。 ・トリックスター元型について、影の話が出てくる。 ナチズムを強く意識しているのだと思われ、BTSの音楽を思い出す。 力、強力な力。 目隠ししてくる力。 日本の報道が死んでることと、プーチンの戦争に気が滅入る。 大日本帝国をなぞるようなプーチンも、元型に突き動かされてるのだろう。 これは、レイシストが古今東西同じ言動を繰り返すことと同じだろう。 理知的に考えることは止め金なのだ。2022/03/29

夜間飛行

7
わからない所がたくさんあったので、またいつか読み直したいと思う。特にアニマやアニムスなどの諸元型について、もっとよく知りたい。なお、あくまでも素人の感想にすぎないが、ユングの原文にも多少の問題(論理や用語の乱れ)があるように思った。そこを訳者の林道義さんがたいへん苦労して、しっかり意味を伝えようとされていることが行間から感じられた。それは、注にも現れていて、注のおかげでどれだけ助けられたかわからない。注がなかったらけっこう大事なところで躓いていただろう。2012/10/25

ふしぎ

4
人間の心は不確かな部分。読み終わって、心の深いところに降りていったみたいな気分になった。自分の心の定義をこの本から探しているような感じがして面白かった。水は生命の源というイメージがあったり、羊水というイメージからは母体回帰を想起させたりする。人間は水というものに潜在的に惹かれるのかァ、と思った。ヘッセの「デミアン」を読みとくのに使えた。2014/08/12

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