中公新書<br> ケルト神話と中世騎士物語―「他界」への旅と冒険

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中公新書
ケルト神話と中世騎士物語―「他界」への旅と冒険

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  • サイズ 新書判/ページ数 243p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121012548
  • NDC分類 164.339
  • Cコード C1298

内容説明

古代ヨーロッパを支配していたケルト人は、文字こそ持たなかったものの、口承によって多くの神話や民話を伝えていた。なかでも、地底や海のかなたの彼岸の世界へと旅する物語群は、キリスト教の伝播とともに変容を重ね、遂には中世の騎士物語へと洗練されていった。ケルト人たちが思い描いていた「他界」とはいかなるもので、それは後世にどう受け継がれているのか。今も残る物語を紹介しながら、ヨーロツパ精神の源へ溯る試みである。

目次

序章 知の果てにて
第1部 ケルト人と他界
第2部 ケルト・キリスト教と他界
第3部 中世騎士物語と他界
終章 「夜の航海」

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ともとも

32
一見、全然関係性が感じられないが ケルト神話、騎士、宗教、歴史的な伝播があって、 壮大なスケールの繋がりを感じてしまいました。 ヨーロッパの歴史、神話、民俗、宗教などの視点から これがヨーロッパのルーツのひとつなのかもしれませんし ヨーロッパの歴史、神話、民俗、宗教に見てもとても学問的な興味を引きつつも 面白さを感じてしまいます 難解で厳しいようでもあり、どこか、新鮮な感じもして、それが ヨーロッパ全体の魅力と面白さを引き出していて、それが面白みを誘う。 そんな冊で良かったです。 2016/01/30

さきん

28
巨石文明→ケルト人に征服され小人、妖精として、ゴブリンにも名残。指輪物語に出てくる竜や一つ目も敵もケルト神話から出てくるのかと感心。船で異界をめぐる話はオデュッセイアに重なる。ユングの深層心理分析や母性、父性に触れられて興味深い。こぶ取り爺さんならぬ、仕立て屋のこぶを妖精から取ってもらう話は笑えた。ケルトもやがてローマ帝国に敗北し、キリスト教が入ってくるがカトリック主体ではなく、東方正教の影響が強かったため、ケルトの神話体系は換骨奪胎されつつも残った。アーサー王しかり、船旅の物語しかり、実写化見てみたい。2021/09/16

fseigojp

28
アイルランドではゲルマン人やキリスト教に影響されないケルト神話が残ったそうで アイルランド宣教がマリアの母アンナを讃える東方正教会だったから大地母神信仰によくマッチしたのではないかとの指摘など薀蓄満載 2017/05/09

六点

26
遥か中央アジアからユーラシアの西の果てにまで移動したケルト人とその神話が、アイルランド・ウェールズの地で如何に成立し、大陸の影響を受けたか極めて理解しやすかった。大地母神と結びつき聖アンナ信仰となり、ドルイドは森の隠者に、海彼・地下他界はフランスのロマンス文学と結びつき騎士の遍歴となるが、そこにもケルトの古き神々は息づいている。著者の「アニマ/アニムスの分裂と再統合」等ユング心理学についてはぬこ田に論じる資格は無い。が、ケルトの天国観が『小経』の極楽の光景に似てるなどと妙な感想を抱いてしまった。2019/11/14

松本直哉

25
他界が歓喜の野あるいは常若の国とイメージされ、他界との往復が自然なこととして想像され、死者が身近であること、古代の母権制や地母神信仰などの名残があることなど、沖縄の世界観との共通点が多いのに驚くが、沖縄人が古くから海上の交易で栄えたのと同様に、ケルト人もまた元来は遊牧民族で、常に旅への渇望があったことは興味深い。キリスト教が入って、それまでになかった罪と罰の概念が導入されるとともに、神話も大きく書き換えられるが、それでも天国や地獄の描写や地母神と聖アンナの同一視など、ケルトの伝統が色濃く残っていることも。2024/10/05

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