広告は私たちに微笑みかける死体

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広告は私たちに微笑みかける死体

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784314007863
  • NDC分類 674.04
  • Cコード C0072

出版社内容情報

著者は大胆な広告戦略で名高い,ベネトン社の広告カメラマンにしてディレクター。エイズ,人種差別,宗教,環境問題,そして戦争――およそ企業広告とは無縁なこれらの問題を取り上げ,賞賛と批判の渦をつくりだしてきた。本書では,彼自身の生い立ちとともに,ベネトンの立て役者としての広告哲学を述べ,拝金主義に堕した,現在の企業広告を痛烈に批判している。

内容説明

人種差別、戦争、エイズ―およそ企業広告とは縁遠い題材をとりあげ、センセーショナルな話題をよんできたベネトンのカメラマン、オリビエーロ・トスカーニ。つねに非難と称賛の嵐を呼んできたトスカーニが、はじめて自らの広告哲学を語る。

目次

1 ハレルヤ!赤ちゃんのおしっこが真っ青だ!
2 知に対する犯罪
3 黒人になったイギリス女王
4 偏見世界へのミニツアー
5 HIV広告
6 さあCMだ、トイレに行こう
7 十字架、鉤十字、コカ・コーラ
8 ブレーンストーミング、ブリーフィング、メディアプランニング、ブルシッティング…
9 モノ・カルチャーに逆らって
10 GTIターボ、葬られた四人の愚か者たち

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

78
90年台ベネトンの広告を担当していたカメラマンのエッセイ。性人種差別死がテーマで、商業広告とは一線を画するコンセプトアート的な広告を連発し、猛烈な反発や論議を生んだ。それらへの反論や意図などをまとめたもの。先祖返り的な左翼そのものの主張であり、いくつもの問題定義、増大する何も生産していない広告費などは、資本主義の根本的な問題であるだろう。本物のリベラルとしての姿勢に驚く。当時でも炎上広告の批判があったが、そういう批判自体バカバカしく感じさせる。良書。2018/07/14

藤月はな(灯れ松明の火)

72
この本でオリビエーロ・トスカー二を始めて知りました。彼が手掛ける広告はパンチが効いている。現実にそぐわない幸せな家族像などのイメージの押し付け、性質は均一化している商品と似たり寄ったりな謳い文句。そんな広告界に「現実を見ろ!問題を解決するために何ができるか、考えろ」と訴えて来たからだ。特に「現代のピエタ」とも言えるエイズ患者と看取る家族達に見出したものと会見のその家族の言葉に胸を打たれる。しかし、何時の世もメディアの変な所で問題を取り上げて報道を長期化させる事は報道されないのは変わらんのだな・・・・。2018/08/29

hope

34
「広告は幸せを売る」という常套句に騙されるな。そもそも幸せって売り買いできるものかい? 著者は90年代にベネトンの衝撃的な広告を生み出していたカメラマン。広告という枠組みから完全に逸脱した強烈な存在感は、良くも悪くも激しい物議を醸した。そのメッセージはしたたかな確信犯であり、危うさや嫌悪感も孕む禁断の手法。諸刃の剣は我々を深く切り裂いて傷跡を残す。トスカーニ氏にここまで委ねたベネトン氏の懐の深さにも敬意を抱く。→2019/02/25

sakai

28
お正月に西武そごうの広告が炎上した時に 誰かがこっそりこの本を紹介していて気になった本。オリビエーロ トスカーニ氏の名前は知らなかったが、日本でもADC賞を受賞されている作品もあったので見たことあるものがちらほら。今から20年前に出版されている本なので、世の広告に対しての価値観は変わっているのかもしれない。著者の広告に対する姿勢や仕事遍歴は読んでいてとても面白いが、「広告とは?」という問いに対して自分なりの意見を持って初めて有益な読書になる気がした。正直、私は訳者のあとがきのおかげでだいぶ救われた。2019/01/30

くさてる

23
エイズによる死を間近にした青年、ボスニア紛争で亡くなった青年の着ていた服、湾岸戦争で油にまみれた鳥、無数のカラフルなコンドーム……といった印象的な90年代のベネトンの広告写真を手掛けた写真家による著書。「ベネトンのセーターを売り込むつもりはない」と言い切る著者のスタイルは挑戦的で刺激的で、面白い。広告とはなにか、という問題に作品を通じて真っ向からケンカを売ってる感じ。「世間のむず痒いところをひっかいてやりたいのだ」という言葉がすべてな気がします。面白かった。2018/10/03

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