出版社内容情報
喧騒の広場に現れた,謎の講釈師が「女でありながら男として育てられた少女・アフマド」の摩訶不思議な物語を語りだす。物語は真実なのか? それとも講釈師が嘘をついているのか?やがて講釈師は突然姿を消し,残された人々は思い思いに「〈自分の〉アフマドの物語」を語り始める?。絢爛な文章と詩的なイメージによる,現代の「アラビアンナイト」の誕生!
内容説明
女でありながら男として育てられた少女、アフマドをめぐる、不思議な物語。フランスで90万人を魅惑した現代の「アラビアンナイト」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
7
アフリカ系フランス人の小説。女性として生まれながら、男性として育てられた人物が主人公。日本人にはなじみがないイスラムの社会が描かれていて、そのエキゾチックな雰囲気が良かった。途中から物語の語り手が変化して、物語の輪郭が揺らぐところが非常に面白かった。まるで砂漠の中の蜃気楼を見ているような感じで、物語自体も結末を迎える。2011/09/19
とうこ
4
イメージの濁流に飲み込まれて、迷子になった。女ながらに男として生きることを強いられたアフマドの物語は、次巻を読めば完結するような単純な内容じゃない気がする。女でも男でも、社会から、時代から求められる役割や理想像みたいなものがあって、ほとんどの人がそれに染まって運命を変えようとしない。“彼”の物語は、ひたすら自分自身と向き合っていてとても険しい。(図書館本)2016/09/06
斑入り山吹
4
ブックオフで目が合った。冒頭を読むと面白い。モロッコといって連想できるのはパトリス・ジュリアンくらい、あとはぜんぜん知らん。これは買い!ということで手に入れた。前半は、ミドル・セックスのイスラム版か?と思ったが、なんだかぜんぜん思っていない方向に話が進む。というか、進んでいるんでしょうか、これは?なんだか狐につままれたような、ケムに巻かれたような、うーん…。聖なる夜も読まなくっちゃ駄目なんだろうなぁ、安くブックオフであればいいけどなぁ。2010/09/28
shiggy
3
イスラム社会の理不尽な息苦しさは伝わるし、引き込むところはあるが、物語が途中から錯綜するのがちょっと苦痛だった。「聖なる夜」を読むかどうか迷う。2022/08/22
takao
2
ふむ2024/04/19