出版社内容情報
80歳代も近くなったシオランが,みずからの老い,そして死に向きあいつつ著わしたこの本が,彼の最後の作品となった。皮肉と毒舌に満ちた断章の連続はあいかわらずだが,ここには暗さ,激しさよりもむしろ,人間の最も暗く醜い部分をも軽やかに嘲笑う枯れたユーモアが漂っている。
入魂の名訳でおくる「シオランの到達点」。
内容説明
皮肉と毒舌に満ちたアフォリズムの断章。80歳を前に自ら最後の著作と決めた、「反哲学者」シオランの到達点。
著者等紹介
シオラン[シオラン][Cioran]
1911年ルーマニア生まれ。1931年ブカレスト大学文学部卒業。哲学教授資格を取得。1937年パリに留学し、そのまま定住する。1995年没。『歴史とユートピア』(紀伊國屋書店)により、コンバ賞を受賞
出口裕弘[デグチユウコウ]
1928年東京生まれ。1951年東京大学文学部フランス文学科卒業。前一橋大学教授。小説家。フランス文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白義
14
見たくもないのにどうしたわけだか世の中を知ろうとして少し世の中に積極的になったらつまらないことばかりで腹が立つ。そうした時に現実に穏やかに回帰させてくれるのがぼくにとってのシオランです。この告白と呪詛は彼の最後の著作。若かった頃の熱情も弾劾の調子も消え、呪いと毒はそのままにどこかユーモアのある疲労の言葉が並んでいます。シオランは自殺、いつでも命を断てるという観念がかえって生を繋ぎ止めることがある、と書きましたがシオランの愛読者にとって、シオランとはそういう存在でしょう2011/08/12
solaris
11
存在と死への思索的断章。希望、解放、有意義、そんな怠惰な自己認識は事物の懐疑と共にどこにでも落ちている。眠り、自然死、音楽だけが懐疑と意識の敵である。 一巻とおして、ダウンテンション、シニカルな文章。取っ掛かりづらい。どう読んでいくか迷いまくる。短い一節で書き表された文章は書き手の想像以上に読み手の想像力を掻き立てる。 断章という形式が読みづらくなってきている。行動的で、主張をもった、斬新な発想の持ち主ほど論理が体系的で説得力がある思想が必要になってきている。他の著作を読んでこの作家の帰結を知りたい。2016/03/06
CCC
8
冷静に見ればどうしてそう言えるのか謎な話も多い。けれど言っていることは分かる。そう思えるところも多い。少なくとも逆側のポジティブ思考よりははるかに。なんだか哲学というより、詩のように染み渡ってくるところがある。シオラン的にはこれは褒め言葉になってくれそう。2026/08/15
Erika
7
皮肉屋シオランの箴言集。反出生主義、死の肯定、不眠症、怠惰などについて展開される言葉たち。彼独特のブラックなユーモアや不謹慎さに笑ってしまった。しかしそれが彼の良さでもある。人前で言うのが憚られる事を声を大にして平然と言ってのけるその潔さが良い。読んでいて「希望なんて無い。人生は絶望の連続だ」と言われているのに何故か救われている自分がいる。人生に押し潰されそうになったら読みたい不思議な本。2024/06/17
ろびん(わんこ)
7
やはり読んでいて元気になる。生きていても良い気がするんですよね。2020/02/28




