出版社内容情報
家族というテーマの中でもこれまで軽視されてきた「母娘」関係。そこにはどんな秘密が隠されているのか? 女性の成長や人格形成への影響は? その社会的意味は?
オースティン,ブロンテ,ウルフからデュラス,アリス・ウォーカーまで,精神分析理論を駆使して読み解くフェミニズム批評家の眼が,母娘間に隠された驚くべきダイナミズムをあきらかにする。
内容説明
文学においても、心理学においても、「母親と娘の関係」はこれまで充分に追求されてはいない。むしろこれは、家族論で最も光の当たらなかったテーマだろう。西欧文化において「語られざる物語」でありつづけてきたこの関係に、本書は正面から挑む。本書はブロンテ姉妹からデュラスに至る文学作品の綿密な読解をつうじて、母と娘の複雑な葛藤、対立をたどってゆく。西欧文化全体の問題まで視野に入れながら、家族論にこれまでなかった視点を提供する1冊である。
目次
序論 口にするのも恐ろしい筋書き
前奏曲 起源とパラダイム
第1部 リアリズムと母親の沈黙(女の家族物語―より古い殺人;兄妹愛的筋書き―反復の克服)
第2部 モダニズムと母親的なもの(暗黒の筋書き―物語と、強制的な異性愛)
第3部 ポストモダニズムの筋書き―母親の主体性(フェミニズムの家族物語―エディプス以前の人生;フェミニズムの声 母の声―2つの声で話す)




