出版社内容情報
生物進化論をめぐって様々な理論が百花繚乱的に乱立し,いまも「熱い論争」が展開されている。また,進化論に対して様々な誤解や見方の誤りがよく見受けられる。本書は,進化をめぐる最新の知見と理論を整理して解説することで,進化論議にみられる問題の所在を明らかにする。また,発展著しい進化生物学への格好の道案内の書ともなっている。
内容説明
チャールズ・ダーウィンが『種の起源』によって、生物が進化してきた理論を世に問うてから百数十年の歳月が流れている。その間、今日に至るまで、進化論をめぐって様々な理論が百花繚乱的に乱立し、いまも“熱い論争”が展開されている。本書は、こうした進化論をめぐる混乱に対し、進化論に関わる様々な生物学の分野(進化生物学と呼ばれる)の知見と様々な進化理論を分かりやすく整理し、現在、生物の進化現象がどの程度まで説明しうるのか、明らかにしようとしたものである。
目次
生物進化とはなにか
適応と自然選択
進化の要因
マクロな進化と長期的な進化傾向
遺伝の機構と分子進化
様々な進化要因の相対的な重要性
進化論と現代社会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒダン
12
進化論は様々な学説を含んでいる。それらの学説の根拠となる事例や学説間の違いや問題点を教科書のようなスタイルで列挙していく。進化論の論点集。一口に進化といっても、種、集団、個体、遺伝子、アミノ酸、と進化する生物単位の規模がまちまちだったり、理論的に正しそうでも現実にはその現象が見られない説などがあって錯綜している。どんな問題を考えているかによってどの理論が当てはまるかは変わる。そんなに深いことが書いてあるわけではないように思ったけど難しかった。いくつかの説を非科学として断罪している。2015/09/11
ステビア
4
進化論入門に非常に適した一冊と思う。20年前の本なので古いところも多々あるだろうが。2年で4刷。売れたらしい。2014/02/07
gachin
2
ネオダーウィニズム(本書ではこの語は曖昧と批判されてるが)寄りの立場から、当時の進化論を概観してる。集団思考に明るくない僕には勉強にはなるものの、もう少し踏み込んだ進化の話を聞きたかった。著者は、進化論が社会に濫用されたことに対しその収拾に尽力しようとしていて、責任感がかっこよかった。こういう経験をすると合理論や構造主義(僕はどちらかというとこっち寄り)に対してアレルギーがついて頑固になっちゃうのも理解できるので、少し懐が深くなった。現在においても、進化観では対立しがちだけど、こういう研究者は居て欲しい。2019/11/30
イシュア
0
進化論の入門にどうぞ。2016/01/31