楽園願望

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楽園願望

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  • サイズ B6判/ページ数 266p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784314005098
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0011

出版社内容情報

苦悩も葛藤も一切ない〈楽園〉への憧れは,誰の心にもひそんでいる。この人間心理は,どこから来るのか? ユング派分析家である著者は,楽園願望の起源を幼い日の母子関係に求め,母親の胸に抱かれた至福状態を〈楽園〉の原体験ととらえる。さらに,楽園願望のダイナミズムを社会現象のレベルまで追求し,女性解放などの現代的問題に新たな光を投げかける。

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■本書について
苦悩や葛藤からの解放を望まぬ人はいない。
そして、苦悩も葛藤も一切ない<楽園>のイメージは
万人の心にひそみ、さまざまなかたちで現われてくる。
では、そうした楽園への憧れはどこから来るのか。
本書は、ユング派分析家が、誰もがもっている<楽園願望>の深層を読み解きながら、
そのダイナミズムを社会現象のレベルまで追求した野心作である。
幼い日の、母親の胸に抱かれた至福の状態、この自我確立以前の状態を
<楽園>の原体験と捉えることから本書は出発する。
楽園願望とは失われた過去への切なる憧憬にほかならなず、
母親-子ども関係こそがその解明の鍵だというのである。
ここから本書は、女性解放、福祉国家、さらにはテクノロジー文明と競争社会、
といった社会の諸側面に新たな光を投げかける。
とともに、人間にとって「幸福」とは何かを深く問う書であるとも言える。

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序論 ノスタルジーの現象学

第一部 原初の至福イメージとしての楽園
    1 「一体的現実」のイメージとしての楽園
    2 母-子の原関系における一体的現実
    3 原関係の社会心理学的重要性
    4 幼児期における成熟成長過程
    5 母元型の現象学
    6 早期幼児期の「地獄」としての原関係障害
    7 早期幼児期の楽園と地獄-原始民族における原関係と文化規範
    8 ヨーロッパの親子関係の歴史にみる原関係と文化規範
    9 イスラエルのギブツにおける乳児養育と集団行動
    10 社会規範の基盤としての父元型
    11 母性行動と女性解放
    12 母親の役割と職業活動

第二部 楽園と堕罪の心理学的解釈
    1 ある分析患者の楽園幻想
    2 アダムの肋骨からイヴの創出
    3 聖書の楽園物語
    4 教父たちによる解釈の試み
    5 アウグスティヌスと「原罪」の教義
    6 心理学的にみた「原罪」
    7 良心の精神発生学
    8 「楽園世界の神」
    9 十戒の神
    10 道徳規範、超自我、良心
    11 「原罪」と影の問題
    12 「義務の相克」(C・G・ユング)
    13 禁忌のモチーフ
    14 「堕落」以後の苦の条件
    15 意識化と「至福」への努力

第三部 未来の救済待望としての楽園
    1 初期ユダヤ教および新約聖書における未来待望としての楽園
    2 古代ギリシア哲学における幸福の観念
    3 中世における地上の楽園の観念
    4 ユング心理学における「自己」
    5 楽園と個性化過程
    6 結び

内容説明

人はなぜ〈楽園〉を夢みるのか。楽園願望は誰の心にもひそむ。幼い日の母子関係がつねに、その深層に息づいている―社会のさまざまな側面に現われてくる楽園願望の本質を読み解く快著。

目次

序論 ノスタルジーの現象学
第1部 原初の至福イメージとしての楽園(「一体的現実」のイメージとしての楽園;母‐子の原関係における一体的現実;原関係の社会心理学的重要性 ほか)
第2部 楽園と堕罪の心理学的解釈(ある分析患者の楽園幻想;アダムの肋骨からのイヴの創出;聖書の楽園物語の学問的テクスト・クリティック ほか)
第3部 未来の救済待望としての楽園(初期ユダヤ教および新約聖書における未来得望としての楽園;古代ギリシア哲学における幸福の観念;中世における地上の楽園の観念;ユング心理学における「自己」 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kitayama-koubou

0
誰の心の中にもあるという『葛藤を知らぬ一体的現実の中での手厚い保護への憧れ』・・・言葉にするだけでも悲しい。そのようなものはもう無いと知っている、最初から無かったのかもしれないもの。2014/04/05

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