内容説明
待ってるだけのお姫さまはもう古い。かしこさと勇気―女の子ならそうこなくっちゃ。イギリスのフェミニストたちが、小さな女の子のために心をこめて作った感動のストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
91
かしこいアリーテ姫は、魔法使いボックスが出した三つの難題に立ち向かう。女がかしこいなんてとんでもない。女はやさしく、かわいいのがいいんだ。そんな価値観にまったく惑わされず、ずっとマイペースを崩さないのが素敵。魔女から三つの願いを叶える金の指輪を授かるので、なるほどこれを使って難題をクリアするのだな。と、思いきやアリーテ姫は難題を自力で乗り切ってしまう。では指輪は何に使ったのか？そこらへんも考えさせられる。ハッピーエンドだけれど、お姫様と王子様はいつまでも幸せに暮らしました、じゃなく自立エンドなのが良いね。2021/03/05
ペルー
45
うん、面白かった。女が賢いと嫁の貰い手がなくなる‼️という女性問題にアプローチしたお話でした。お伽噺っぽいけど結構最近書かれたもので、王子様に幸せにしてもらうのではなく、自ら幸せをつかむアリーテ姫。姫が賢いと腹をたてる回りの大人の男達。ちょっと滑稽なぐらいです。登場する女性が全て、と言っても全部で３人ですが、皆賢いです。2018/05/03
兵士Ｏ
19
この本の片渕監督の映画版は大分前に観ました。ただその時は、エラいデカい金色の鷲が空を飛んでいたな、ということと、ヒロインの姫があまり可愛くないな（スタッフの方々、失礼！）ぐらいの記憶で、ほとんど印象に残っていなかったのです。片渕監督が有名になったので、原作が気になって読んでみると、映画の方の抒情的な演出と全く違う、オトコに全く頼らない王女の物語でした。それが徹底的なので、オトコ万歳の価値観を持っているボクは完全に打ちのめされましたよ……。この作者さん、シングルマザーと聞いたのですが苦労されたのでしょうね。2021/11/03
みさどん
18
たくさんの作家さんが読んできたとされている本で楽しみに手に取った。確かに底辺を流れる考え方がしっかりしているお話。たよりにならない家族、富、結婚。都合よく魔法の力が手に入っても、それを姫は趣味や教養に使ってしまう。きれいな姫、かわいい容姿という表現が出てこず、アリーテ姫の顔やヒラヒラドレスの挿絵も出て来ない斬新な作りだと思えた。フェミニズムにのっとったものだったと知り、納得。2015/09/27
kommy
17
アリーテ姫にジェンダーの呪いをかける男達と、サクッと試練を乗り越えて自分の信じる道を進むあっけらかんとした姫。 男達と姫では人間としてのレベルが違うので、戦いにすらならない。 良本。2019/03/27
