内容説明
１５の不幸、１５の希望。都会の雑踏から拾い上げた、ノンフィクション・コラム。アメリカン・コラム・テイストで綴る、都会の１５の物語。
目次
友よ
容貌
登校拒否
ホームレス
テレクラ
芥川賞作家
職人気質
父子家庭
身の上話
別れた男たち
女優志願
リストラ
離婚
うつ病
少女小説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
87
友がみな我よりえらく見ゆる日よ 花を買い来て妻としたしむ この歌の啄木は妻と仲良くして寂しさを紛らわすことが出来る。が、ここでインタビューを受けた人々は「友がみな我よりえらく見える」日にどうやって心を和ますのか。何を思うのか。著者はどんな思いで彼らのところに出向き聞き取ったのか。自分は人を見ている余裕のない程ギリギリだった頃も、年を取って少し気持ちに余裕が出来た今も、あんまり人を羨ましいと思うことも自分を卑下することもない能天気。自分のバカさ加減に落ち込むこともあるけどインタビューもないから忘れます。 2021/02/18
へくとぱすかる
65
ごく普通の（と思われている）人生こそ、じつは稀なケースなのではないかと思わせる。エッセイのつもりで読んでみたが、実話らしい。読者としては他人の人生を評価できるほど、達観できてもいないし、そんな資格もないけれど、一見してうまくいっている日々の生活が、ごく些細なきっかけで崩れる危険を知らせてくれるような気がした。とにかく人生さまざまであることは確か。2019/12/06
ミッチ
10
世の中には悲喜こもごもいろいろな方々が一生懸命に生きているんだということを改めて知らされます。2018/09/07
Voodoo Kami
8
ホームレス、芥川賞作家、鬱病患者、母子家庭、女優志願者など、著者の友人を初め、やや人生のメイン・ルートから逸れてしまった人たちの生活の断片が綴られる。啄木の句絡みの書名とはいえ（それ故に手に取ったとはいえ）、ここに出てくる人たちは少なくとも表向きには「友がみな〜」とは思っていない。自尊心を恢復させるために「自分はまだ XX よりマシ」と思うのは諸刃の剣であり一時的な麻酔に過ぎないのでは。「あなたには向いていない、才能がない」といわれたらどうするか。泣くか、笑うか、死ぬか。それでもやるしかないと思う。2018/04/01
頼ちゃん
5
人が貸してくれて。世の中にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があるということ。ネガ編集者の話、リストラが興味深かった。2018/09/23
-
- 和書
- 暴走 カッパ・ノベルス
