内容説明
「貧者の核兵器」とも称される毒ガス―第二次世界大戦中、旧日本軍の最終兵器として大量に製造されたが、敗戦により未使用弾は地中深く埋められた。半世紀の時を超え、中国の奥地に遺棄された毒ガス弾が、腐食により環境を破壊し始めたと知り、著者は行動を開始する。戦争の負の遺産にかかわってしまった普通の人々の心の歴史を、ヒロシマのTVディレクターが克明な取材に基づいて綴る、鎮魂のルポルタージュ。
目次
第1章 毒ガス戦の幕開け
第2章 大久野島毒ガス工場
第3章 もうひとつの毒ガス工場―曽根製造所
第4章 中国の遺棄毒ガス弾
エピローグ 100年の巨大なパノラマ