- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 歴史
- > 学陽書房(人物・教養)
内容説明
「この君は天性の野気がある。ご一生はご多難だろう…」傳役・片倉小十郎らの補佐を受け、米沢の領主となった政宗は智略と武勇により版図を拡げ陸奥の盟主へと伸し上がってゆく。そして天下統一を目指す秀吉のもとでいかに生き残るか…。戦国の世に遅れて生まれてきた英雄の人間像と波瀾の運命を、巨匠が練達の筆致で描き出す傑作長編小説、待望の文庫化。
著者等紹介
海音寺潮五郎[カイオンジチョウゴロウ]
1901(明治34年)~1977(昭和52年)。鹿児島県生まれ。國學院大学高等師範部国漢科卒業。昭和11年、「天正女合戦」「武道伝来記」で直木賞受賞。昭和43年、菊池寛賞受賞。紫綬褒章(昭和47年)、文化功労者(昭和48年)、日本芸術院賞(昭和51年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミッキーラブ
4
面白かった! 今まで読んだ小説の伊達政宗の中でいちばんリアリティがありました。外交術や処世術に長けてる、権力者の好きな事をして気に入られるのが得意な所とかをよく見せてくれる本でした。 この本では家督を継いだばかりの時期から殺生関白秀次の事件までの政宗の二十代だけでしが、もっと老年まで読みたかったな… 作者は人物の行動の裏にある心理的要因を見せるのがすごく的確な気がします。政宗の目を通してみる秀吉が特にそうでした。 海音寺さんの作品は初めてだったけど、凄く気に入ったんでさっそく他の作品も注文。笑2018/11/09
円盤人
3
豪傑ものの講談調であった『天と地と』と異なり、物語のトーンは鬱々と内省的である。風貌怪異で母に愛されなかった政宗は、片倉小十郎らの導きによって名将に育ち、やがて奥羽に覇を唱える。あえてもろもろを直接的に語らない小十郎と、彼の指導を敏感に察し、学んでいく政宗との関係性が良い。後半は野望を胸に秘めながらも、天下人・秀吉の不興を紙一重のところでかわしていく。胸のすくような展開に欠け、壮年期で唐突に終わってしまうため、山岡荘八の全8巻と引き換えにはならないが、可愛らしい愛子夫人の描写は本作ならではの魅力といえる。2022/11/09
紀伊国屋文左衛門
2
枝葉のエピソードを書いている割には前半生で終わっているところが消化不良。著者は当時激務だったのだろうか。2015/04/21
くま吉
1
伊達政宗が好きな人なら読んで面白い本だと思います。特に心理描写がとても良いです。この本を読んだらこの著者の他の本も読んでみたくなりました。2024/09/10
km.
1
秀吉の考え次第では死もあった二度の拝謁をたくみな弁明術で凌ぎ切った政宗。度胸あるちゃっかり者の武将として生き生きと描かれている。もっと武骨で荒々しい政宗を予想してたがこのキャラ続きが読みたいぐらい好きだ。2022/06/27
-
- 洋書
- KATE