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内容説明
一時は寄席からも離れてどん底生活を送ったり、何度も改名を繰り返したものの、やがて人気も上昇してきた。そして昭和十四年、ついに念願の五代目古今亭志ん生を襲名。戦火の東京を離れて満州で終戦を迎え、戦後、復帰した志ん生はたちまち人気が沸騰、名人と称されるようになっていった…。今なお絶大な人気を誇る天才落語家の破天荒な魅力を描く長編。
著者等紹介
結城昌治[ユウキショウジ]
1927(昭和2年)~1996(平成8年)。東京都生まれ。早稲田専門学校卒業。東京地検勤務等を経て作家。63年、「夜の終る時」で日本推理作家協会賞受賞。70年、「軍旗はためく下に」で直木賞受賞。85年、「終着駅」で吉川栄治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
33
飲む・打つは相変わらずも、技を磨く鍛錬は怠らない。孝蔵の技術力と人柄。前者が、島本と貞山。世の中見てる人はいる!後者は、りんと兵隊寅の不変の信頼。最期まで、それぞれの”らしさ”を通した生き様。一方、最期までもがく人気と技術の乖離。志ん生の頭の中は円喬であり、人情モノでの勝負!果たせない夢に、高座云々や他者(特にライバルと目された文楽)云々は無意味。名人意識ではなく、技への探究心のみ。紫綬褒章代理受賞時のりんの涙がやはり印象的。ぐっとくるなぁ。この芸人にしてこの奥様あり!2016/02/28
ぐうぐう
9
飲む打つ買うと、自身の自堕落な性格が災いしたとはいえ、志ん生のブレイクは、本当に遅かった。しかし、そのいい加減な性格が芸に滲み出し、それにお客が気付くと、人気者になるのに時間は掛からなかった。酒を飲みすぎ、噺の途中に高座で居眠り、しかし客は怒るどころか「寝かしておいてやれ」と声を掛ける。こんな噺家、志ん生の他にいない。2010/08/17
ワンモアニードユー
0
落語好きの中では伝説の志ん生さん。 結城昌治さんの筆力も加わり、魅力的な評伝になっています。 エピソードには事欠かない人ですしね。 しかし、主役よりもりんさんと後の馬生さんを応援してしまいます。 なんせ志ん生はひどい人ですから。2012/07/08
酩酊斉案山子
0
破天荒とか天衣無縫というよりアンタいい加減にしろよ!と言いたくなる性格破綻者にして生活無能者。たが芸に対する姿勢だけは本物という芸術家はかくあるべしの一篇。下巻の半ばでようやく売れ出す遅咲きだが、本人より奥さんヨカッタネーという感想を持ってしまうのは読者の凡人故か。りんさん、はっきり言いますが、私ファンです。2012/03/16
やわとしょ
0
志ん生のことより、戦中戦後の日本・満州の悲惨さが印象的だった。2019/06/30
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