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内容説明
己れの欲のためでなく、毘沙門天に代ってこの世の悪をほろぼし、正義と秩序をもたらすべく戦いつづけた天才武将の、謀略を好まず、正々堂々、一戦して雌雄を決した戦いぶりと、多くの人々の心を引きつけてやまない純粋、勇猛、爽快なる生涯を描いた文庫書き下ろし傑作小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒猫
11
霧が晴れ、毘の旗が武田の眼前に無数に翻る。純粋にカッコいい。四十九年一睡夢。謙信のように生きたいと思う。毘沙門天に代わり世を正すという。究極の理想主義だけど実力者。謙信は他国をむやみに奪ったりしない。この本は、謙信の少年時代から死に至るまで丁寧に書かれ、個人的には吉川英治作品より良かった。謙信は晴信を忌み嫌いながらも、領国経営において才能を認めている。戦以外には、いきなり出奔してしまったり無責任ではあるが、それも人間味溢れる謙信の魅力だ。戦国の一風の清涼剤。それが上杉謙信だ。 ますます好きになった。2016/07/03
あい
8
「天と地と」が川中島までだったためその後が気になり、こちらを手に取りました。謙信の生涯をざっと小説風に追ったものでした。歴史モノは書き手の創作部分や好き嫌いが影響して、かなり印象が変わります。義に生きる稀有な武将は興味深く、デフォルメされた謙信も魅力的ですが、史料をもとにした他の書物も追って勉強しながら、自分なりの謙信像を作り出せたらいいなと思いました。2021/01/02
rena
3
上杉謙信には関心があったものの1冊も関連本を読んだことがなかった～。毘沙門天の化身。清廉潔白で策略を厭う戦国には稀有な存在だったのは、仏門に身を置いたころの信条なのか。武田信玄との対比、ライバルというより手法が違う2人。権謀術数の信玄、独創の信長、清廉さの謙信だそうだ。領国内の謀反が頻発していたことや農業兼務だった家来たちも戦に時間ばかりかけられない、田畑の仕事も心配しながら 領土境の戦に奔走していたなどを知る。 京に上るにも地理的な優位性がないとなかなか難しい。2015/08/15
BIN
3
短い中でもよく謙信が書けていたと思う。もっと長編にして詳細にボリュームをつけてもらいたかった。謙信は義を貫いたある意味乱世で生きるものとしては非常に愚かだが、その姿は暗闇の中の一条の光でありすがすがしいものです。2010/12/26
らふぃん
2
④なんか読みにくかった 他の作家読むと司馬遼太郎の天才さがどうしても感じる 上杉謙信は全然しらないので入門用に 頼朝キライ、義経が好き まぁ本人がいったかはしらんが、そういうキャラなのね こりゃあ好きになれないわ なんていうか小物臭がする あるいは作家の力量なのか否読み手の力量かｗ 2017/03/07
