内容説明
日本の都として千年余の歴史を誇る古都・京都に秘められた歴史遺産の数々!東山・鴨東一帯に隠された歴史の跡を実地に歩きエピソードを綴る!有名な神社・寺院はもちろん、地元の人でも知らない歴史スポットにも光を当てた、森史学の集大成!
目次
第1部 わが家の足元から京都を見る(家から歴史をたどる;東福寺をめぐって考えること;稲荷山への信仰;深草と藤森神社;伏見城と桃山の陵墓)
第2部 鴨東と愛宕郡をめぐる(京都の大仏殿と阿弥陀ヶ峰;法住寺と後白河法皇陵;六波羅蜜寺;六道珍皇寺と愛宕郡)
第3部 東山三十六峰山麓の寺でら(清水寺を解くキーワード;八坂の地と法観寺;祇園社をめぐって;建仁寺を見なおす;鴨川に架かる橋ばし)
第4部 旧粟田郷のあたり(知恩院から岡崎へ;六つの勝の字のつく寺;平安神宮と疎水;南禅寺から銀閣寺へと歩けば)
著者等紹介
森浩一[モリコウイチ]
1928‐2013年。大阪府に生まれる。同志社大学大学院修士課程修了。同志社大学教授・同名誉教授を歴任。考古学者。和泉黄金塚古墳の発掘調査など多くの遺跡を調査。学生のころから、古代学を提唱(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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PAO
20
「ふと気がつくと「京都の歴史を足元からさぐる」ことが残されている」…私の尊敬する考古学者 森浩一教授。体を悪くされ残された時間の少なさを悟った先生が自らの生活の場である京都の歴史をさぐることに最後の日々を捧げたシリーズ。専門である考古学だけでなく、その知識の広さと深さに驚くと共に定説には捉われない大胆な視点と着想、それを裏付ける冷静な分析は全く衰えを感じさせません。何よりも生まれ育った京都への先生の深い愛情が歴史を語る筆の端々から滲み出てくるようでした。私にとっての京都歴史本の№1で本シリーズを読みます。2019/07/08
わ!
0
面白かった。そもそも著者の森浩一さんは、考古学が専門であり、だからこの本のタイトルも「足元から~」となっている。ただ本文でも述べられているように、考古学の本はたくさん書いたが、自分が住んでいる京都に関する本を書きたいとの思い立ちで、このシリーズを書き上げたようで、内容はそんなに考古学色が強くない。ともかくこんな本を読むと、今まで聞いたこともないような京都の場所が紹介されていたりして、住んでおられるかたが書くと、また今までとは異なった案内書が出来上がる。こういう本を読んで、現地を訪ねるとまた楽しいのである。2020/08/31