内容説明
「倭人伝」伊都国の地にねむる「弥生」時代の王墓「平原弥生古墳」の被葬者は誰か―出土した超大型鏡は「八咫の鏡」か?三九面もの古鏡、夥しい玉類の謎!日本神話は本当に架空の物語か?遺跡の発掘とともに日本神話がいま甦る。
目次
日向三代の神話
鏡と剣と玉
孤立無援
御子守石からドルメンの発見へ
中山学説の体系づけ
平原弥生古墳の発見
平原弥生古墳の全容と方角の謎
一の鳥居は日向峠へ
二の鳥居は高祖山へ
天体観測の遺跡〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
11
博多湾岸では、弥生後期と古墳時代がシームレスにつながっている。その事実を最初に喝破した中山平次郎のところにおしかけ、弟子となった原田大六。「鴻臚館」を発見した中山平次郎博士は、ずっと日本考古学会のスターであったと信じこんでいたのだが、原田が弟子入りしていた晩年は、学会からも虐げられ生活も過酷なものであったらしい。。直系の弟子を自認する原田も、主流派の考古学には反発を隠さないが、森浩一の著書の中では好意的に扱われている。(あれ、ひょっとすると森さんは考古学会の主流派ではなかったりするんですか?)2019/06/08
Kazuo Ebihara
4
原田大六が、平原遺跡を発掘した翌年の1966年にいっきに書き上げたもの。 こちらは、1998年の解説付新装版。巻末に原田没後の研究による解説を追加。本編で原田が平原王墓や副葬品の状況から推しあてた日本神話と伊都国との関係を一部否定されています。 ステリーを読んでいて、最後に犯人が判り、事件が解決したと思っていたら、解説でその犯人は違うよと言われたような読後感でした。 現在、絶版となっており、中古本が2点。いずれも6,000円以上の値付け。 わが家の書棚から発掘された稀少なお宝本となりました。 2017/05/02