Kawade夢ムック
須賀敦子ふたたび

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  • サイズ A5判/ページ数 271p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784309978420
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C9495

出版社内容情報

卒業論文であったギャザーの翻訳など未刊行テクスト、松山巌、湯川豊、若松英輔、担当編集者座談会などで須賀の新たな魅力に迫る。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

34
タブッキの「供述によると、ペレイラは……」の翻訳者として認識していた須賀さん。あの緒方貞子さんと聖心女子大で同期なんですね。阪神間のリベラルな家庭で育ったお嬢様だったことも初めて知りました。カトリックでありながら左翼思想にも近かった。自立した女性だったことが、現代の女性たちの人気を集める理由なのかも。どこか向田邦子にも似た香りを感じます。作家生活7年、生前は5冊しか出版していないのに、この圧倒的な存在感。関川夏央さんの回想文もすばらしく、思わず全集を読んでみたくなる作家さんでした。2015/12/20

るんるん

27
崩壊のなかにも人間の優しさへのつよい信頼をいだきつづける作家、未収録エッセイにあるナタリアさんへの一文は須賀さん像とも重なる、そんなことを思いました。年譜に携わった方やさまざまな作家さんにとっての須賀さんを読んでいるうちに刊行されている本をもっと深く知りたくなりました。2014/10/08

ぞしま

13
須賀ファンには楽しめる内容。未収録エッセイもあります。フェリーニの道を観て、「自分はこれで行こう」と書いてある所、好きです。(この辺りが和田さんのいう存在論的な所なのでしょうか?)あと真逆な映画として、天井桟敷の人々をあげ、ギャランスをシャンパンの泡に例える下りも。正直に言って、寄稿には温度差があるけど、関川夏央さんの小樽旅行の下りは泣けました。しいべを大切に胸にしまっている須賀さんを目の当たりにしたようで、胸に迫ってきます。須賀さん関連の細々した話も満載で、新たな須賀像に妄想が膨らみます。2014/09/19

あ げ こ

10
淡く、豊潤な色彩の、決して褪せることのない、美しさ。暗く、物憂げに佇む心の翳りにさえ、向き合い、光を当てる優しさ。研ぎ澄まされ、静謐に煌めく言葉の、硬質な輝き。時に触れ難いと感じるほど、怜悧な光でありながら、そこには、哀しみを多く含んでなお、強く、歩み続けるものの、柔らかさ、温かさがあるように思う。情景に宿る思い、寂寥、哀惜…甘さのない、澄み切った静けさ。快い余韻、だが、それは清廉であるが故に、僅かなためらいをも、覚える。2014/10/11

plum

2
「巨人の肩の上にのる矮人」という隠喩で,巨人とは古代ギリシャとローマを指しているとされる。文明の礎たる所でこれと対峙するためには,精神も知識も強い人間であることが求められるのだろう。須賀さんは,人生の道を求める者として,イタリアや日本で交叉した人々を想う文章を紡いでゆく。その姿は凛とした蓮のようであり,石畳をコツコツと歩き,赤い車で疾走する須田さんの肩越しに,何かしらを垣間見たような心地がするのだ。地方都市の図書館に,彼女に影響を与えた本があまり置かれていないのが残念。2019/01/31

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