内容説明
日曜日のランチパーティーのさなか、妹のテスが行方不明だという切迫した電話を受けたビアトリスは、急いでロンドン行の飛行機に乗る。しかし、テスがいなくなった状況を調べていく中で、自分が妹の生活について何も知らないことに―そして自分が直視しなければならない恐ろしい真実に愕然とする。警察も、婚約者も、そして母までも離れていくが、ビアトリスはひとり真実を求めて進んでいく。だがそれは想像もしなかった危険な道だった。あなたは、何処にいるの?あたなの可愛い坊やは、何処に行ったの?―。
著者等紹介
ラプトン,ロザムンド[ラプトン,ロザムンド][Lupton,Rosamund]
ケンブリッジ大学で英文学を専攻。ロンドンでコピーライターや文学評論誌『リテラリー・レビュー』の記者など、さまざまな職業を経験したのち、カールトンテレビの新人作家コンクールで優勝、英国放送協会(BBC)の新人作家養成コースの一員に選ばれる。また、ロイヤルコート劇場の作家グループに招かれる。二人の息子が生まれるまで、テレビや映画の台本作家を務め、オリジナルのシナリオを執筆した
笹山裕子[ササヤマユウコ]
上智大学外国語学部英語学科卒業。銀行や翻訳会社に勤務したのち、フリーの翻訳者になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りつこ
17
姉から妹への語りが静かで優しくて、夢中になって耳を傾けているうちにすっかり作者の思う壺にはまってしまった。この手のミステリーは苦手なのだが(ドキドキに弱い)面白かった。検事をはじめ、登場人物に魅力があったからだと思う。表紙がこの小説の静かな雰囲気を伝えていて見事だ。2013/01/10
寧々子
12
妹のテス行方不明だと知ったところから順を追って、姉のビアトリスがテスに語りかけるような形をとって物語は進んでいくのですが・・・淡々とした文章なのにじわりじわりと緊張感が高まっていくところがいい! 警察や母親の意見には抗い、テスの死因に納得のいかないビアトリスが必至に真相を探る中で、徐々に変わっていくところも読み所です。 テスの身に何が起きたのか?! ビアトリスの語りに感じる違和感は何なのか?! 気になって惹き込まれページを捲る手が止まりませんでした! たどり着いた真相は・・・驚きました!2013/07/16
星落秋風五丈原
12
一人語りならではの騙りにすっかりだまされた。性格は異なるが同じ悲しみを共有した妹を必死で探す姉の愛情にほだされた。2012/11/02
むらさきめがね
11
とても女性作家らしいお話。被害者を尊重し、人となりに焦点を当てるところなんてとっても好みだった。作者がこの路線でまた書いてくれたらとてもうれしいな。トリッキーな文体とラストに既視感を感じていたら、あとがきに「パイの物語」の文字を見つけて思わず膝を打った。おかげでもう一度パイが読みたくなってしまった。2015/05/25
ハルト
11
妹はどこに行ったのか。姉である主人公の女性がいない妹へと語りかける形式で物語は進む。妹が失踪した理由が明らかになっていき、そして最後にどんでん返しが。え、そうくるんだと最後の最後にびっくりしました。話運びが上手く。そしてこの物語の核である姉妹の互いへの愛情の深さ。事件の追うことで二人の関係を改めて見つめ直し知る、互いの関係に宿るもの。読みやすくまた緊迫感がありおもしろかったです。最後の著者インタビューにネタバレ有り。2012/11/16
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